第16話 街の様子(ザメハラ町)

ちょっびり、お寝坊して街の探索しに行きましたー(^^)P

街は普通です

市場も賑やか!

でも、なにげに若い人が少ないかなー?

なにげ?じゃなくて20代、30代位の人を見かけませんよ。

おまわりさんも見かけない。代わりに剣を持ったマントさんが市場を見回っています。

トラネコさんから聞いたとおりでした。

あっ、keiイイものを見つけた(^^)d

「ほらっさめー、お煎餅を焼いてるよ。おせんべっ!」

おばあちゃんが、屋台で薄っぺらな丸い赤いものを焼いてます。

「keiさんっ遊びに来ているわけではありませんから!」

無視!

「何味かな?」

唐辛子のように辛そうな色です。

「あれわね、お煎餅ほど硬くは無いんですよ。厚めのピザみたいなものかな?味はとてもスパイシー、keiさんは苦手だと思います。」

たしかにスパイシーな香りがしてきました(^^;)

「わぁー、砂漠の街なのに噴水がある!」

市場がある広場の真ん中に、噴水と丸い池があります。

大きくは無いんだけど、砂漠の街に噴水があるとは思いませんでした。

「keiさん!何しに来たんですか!」

ほんと、この使い魔は年中鮫(年中うるさい)です。

「さめくん、いいんじゃない。商人を装ってるわけだし。あの噴水はオアシスの象徴みたいなものかしら。」

年中鮫から、イリーが助けてくれた。

「たしかにどっから見てもkeiさんは観光している商人ですね(^^;;」

さめったら、品定めをするような目でkeiを見ていますよ。

ほんと、この使い魔は年中鮫(年中なまいき)です

「そうだよ、さめ!keiは完璧な観光を楽しむ商人を演じているんでっす。」

うそ!って顔で、keiを見ています。

それにしてもkeiはお腹が空いてきました。

ちょっと二日酔いで朝ごはん食べてない(^^;;

さっきのお煎餅はkei向きではないようですし…

ふー。

「どっかに観光案内所がないかな。なんでもいいから地図がほしいね。」

道の駅とかにあるじゃん。ご当地名店が紹介されているマップ。

くるナビアプリでね、ランチを検索したらラーメンショップ戸島(18000km)。

ちよっと遠いいかも(^_^;)

近くのお店は何も出てきませんでした!

「そうね、地図があったほうがいいですね。」

さめもぽっけから顔を出して、きょろきょろしています。

「いっそのこと地図を買ってしまった方がいいのでは、書店ならあそこにあります。」

さめはそう言うけど、あまり気がのらないなぁ。

「お金がもったいないよー。」

クルクルマップも使えるしね。

ペーパーレスという言葉が生まれて半世紀!

さめは本とか、地図とか、図面とか、紙物好きです。

「そこは必要経費ということで...ねぇ、イリーさん。」

ああああ、イリーがうなづいてるよ。

「だったら、ぶるるザメハラのような旅行誌のほうがいいと思うのです。くわしいし、郷土料理もB級グルメもご当地スイーツも載ってるよ。」

「keiさん!やっぱり観光する気、満々じゃ無いですか!」

keiの意見が採用されて、ぶるる南ザウラクを買ってもらったよo(^^o)

観光!観光!B級グルメ!

B級グルメと言っても焼きそば系とか餃子系とか、もういいかなー!

ラーメンはギリです。カレーは辛いの苦手だし。

てか、さすがにザメハラに焼きそばも餃子もラーメン屋さんもありません。

ザメハラ焼き!みたいなものないかしら…


なんか、ぶるる南ザウラクのザメハラにはスイーツがいっぱい載ってるけど、ランチがないです。

酒場屋さんがランチをやってるみたい。

でもね~

昨日、酒場料理をいっぱい食べたしね。

「ザメハラは、きっと家に帰って食べる人が多いのよ。だから、ランチのお店が少ないんじゃないかしら。」

なんかないのかな?

中辛くらいなら、たまにはカレー屋さんでもイイんだけど?

「日本のようなカレー屋さんではないけど、ふつうにインドカレーならあるんじゃないかしら。」

イリーがそう言うと、さっそくありました。

「でもkeiさん、辛いの苦手でしょ。いったん宿に戻って、酒場でお昼を食べましょうか?」

「だいじょうび、たまになら(汗)もうお腹すいちゃった!」

keiね、空腹で血糖値が下がってヘロヘロです。

「ココナッツミルクをたっぷり使った、甘めのカレーがあればイイんですけどね。」

「カレーの王子様でお願いします(^o^)/」


やっぱ、王子様はありませんでした。

そうそう当然だけど、カレーライスもありません。

ご飯たべたぁい!

さめもメニューをのぞき込んでます。

「keiさんはご飯が食べたかったんですか?なんでも飯じゃないですか!なんちゃって(BMG)」

あっ、さめがおやじギャグを言った。

(さめです。BMGとはB級魔法使いギャグの略称です。つまらないギャグということです。)

「あっ、keiさん。ガーリックライスとか、ありますよ。ほら、パンもあります。バケットみたい。」

あっホントだ。辛いご飯より、ザメハラのバケットをいただきますかー!

「ナンも種類がいっぱいありますね。」

ここでしか食べれませんよ。

ん~!

でも、ナンの食べ方をしらないんですー ^^;

「keiさん、決まった?」

「考え中~、イリーは決まったの?」

無難にビーフカレーかなぁ。

牛肉の深みのある味わいと香り、そんなのを生かした辛くないカレーだったらイイんだけど?

たぶん、さめはビーフカレーが食べたいと思う。

「チキンカレーにチーズナンしようかしら。ナンとパンを頼んで、はんぶんこしましょう。」

んっ!チキンも捨て難いけど、きっと辛いよね。

メニューにハバネロマークが付いてる(・_・;

「じゃあ、keiはビーフカレーとパンにする。あと牛乳!」

さめもうなずいています。

「なんで牛乳?」

イリーん家ではカレーの時に飲まないのかしら?

「keiさんの家庭ではカレーの時は牛乳と決まっていそうです。ガゼインが刺激を抑えるからじゃないですか?」

ガゼインって何?

「たしかに!あれこれ言われているガゼインだけど、私も牛乳。」

えっ??

「ねぇねぇイリー、チキンカレーにはハバネロマークがついているよ!」

「わたしは別に辛いの大丈夫ですよ。牛乳も飲むし!」

ところでチキンカレーって黄色いイメージなんですが…

「メニューの写真はチキンカレーなのに真っ赤だよ。さっきのお煎餅みたいに真っ赤!ハバネロです!」

「そんなに辛いのかしら...」

イリーはちょっと心配になってきたみたいw


ところが...

「この赤ってトマトみたいよ、辛くない!」

イリーが不思議そうな顔をしています。

「keiのはカレーじゃなくてハシドビーですね、おいしい♪」

「はしどびー??」

イリーは日本に住んでいて見たことないのかなー?

「即席ハッシュドビーフの商品名です。keiさんに作ってもらったことがあります。」

でも、牛肉由来原料不使用なのでビーフじゃないみたい。

「さめも食べてごらん。イリーも食べる?」

「わたしのチキンカレー?鶏のトマト煮?食べ見ますか?美味しいですよ…(汗)」

ちょっと、分けてもらった。

チキンがコリコリして美味しい、地鶏ですね~o(^^o)

「でも何気に見てください!みんな辛そうに食べてますよ。」

ハッシュドビーフを見つめながら、イリーがこっそりとつぶやきました。

んっ!

「ほんとだ!keiたちはよそ者だと思って、昨日の人たちみたいにバカされてるのかな。」

昨日、酒場にいたごろつきさん達を思い出しちゃったよ。

「ここの人たちは、そんな人ばかりないと思うけど。」

イリーは自信なさげです。

「keiさん、イリーさん、ハシドビーもトマト煮もおいしいんですよね。馬鹿にされてるとは思えません。周りの人はハバネロを入れてるんじゃないですか!」

さめもハシドビーやトマト煮を気に入っていました。

たしかに!

バカにされてたら美味しいものは出て来ないはず?

「keiはお店ごと日本にお土産したいです。」

「keiさん、レジも横にレトルトが売ってますよ。」

イリーの視線の先に、箱詰めされたカレーのレトルトが積んでありました。

「お土産したい!帰りもこの街に寄るでしょ。」

「もちろん、寄って帰りましょう!」

イリーも気に入ったみたいです。

あっ、その前に悪と戦わなくては…


「このあと、商業組合に行って近況やら情報をもらったら、ザメハラの街の散策をしましょうね。」

「keiはあのおせんべ食べてみたい。あれも辛くないかもしれないでしょ。」

「食べに行きましょう、keiさんも疲れているでしょ、午後はのんびりしましょうね。」

「だいじょび!疲れてないよ。このまえジャグジーにも入ったし、プールで泳いだり、高級なご飯を食べたし!」

でも、おとといの旧車のドライブは疲れたかな。

もう、ランチャーさんにミサイルで殺されてしまうかと思いました('◇')ゞ

「ぐるる南ザウラクを見ながら、ザメハラを散策しましょう。」

「散策、了解です(o^-^o)ゞ」

けど、お店を出たkei達を待っていたのは、ごろつきさん達でした!

しかもグレーのマントを羽織っていますー(-。-;


「おー昨日の商人じゃねいか!ちょっと聞きたいことがある。そこで止まれ!」


毎日だけど、今日もすがすがしく御日様の陽が降り注いでいました。

からりとした暑さに、辛いカレーでもよかったかなって、ちょっぴり思った。

楽しい気分なのですo(^^o)

ところが...

意地悪い声が聞こえてきましたよ(-_-;)

イリーは知らん顔です。

さめも首を振って知らん顔をするようkeiに促してるよ。

まぁ~ね、かかわりたくない人達だし。

「おいおい、昨日酒場で会ったよな。もう忘れたのか、それともしかとかよ!」

しつこいです。

「よそ者が俺たちにそんな態度をすると逮捕だぜ!」

ああああっイリーったら…

そっぽを向いたまま、イーッ!ってしかめっ面した。

さめはイリーを咎める顔をしてにらんでるー!

「おうなんだ、その顔態度は?反抗的だな!」

そらきた、まずいのね。

keiは歩くスピードがどんどん速くなってます。

イリーは逆に遅くなってる気がする。

急がせようとイリーの手を引こうとしたら、先にごろつきさんがイリーの腕をつかんだ!

やば!

イリーはごろつきさんの手を振り払いながら、左手で剣のさやをつかんでる。

右手がかすかに震えています。

抜く気満々(^^;

「待ってつうのが聞こえないのかよ。」

「後ろからいきなり女性の体に触れない方がいいわよ。」

会話の主導権を左右する大切なやり取りです。

「だったら、お前も自警団の前で、剣に触らねえほうがいいぞ!公務執行妨害で、その腕をへし折るぞ!」

黙ったままにらみ合い始めました。

沈黙してます。

ところで周りにたくさん人がいるのに、なにも気にしていません。

なんか、kei達を心配して声をかけてくれたり、逆に罵声を浴びせたりする人がいないんです。

困ったなー?

「ねぇねぇ、それでグレーマントさんたちはkeiたちに何の用なの?」

「グレーマント?」

イリーをにらんでいたごろつきさんが、なぜかびっくりした様子でkeiに大声を上げました。

「んっ、だからグレーマントさんたちは何の用なんですか?keiたちは急いでいるんですが...」

「だから、何なんだ!グレーマント?」

ええっ、質問しているkeiが質問されてる?

「グレーのマントだからグレーマント。そういう質問ですか?」

ごろつきさんは頭を抱えて苦しそうです。

グレーとマントという言葉は、隠された心的障害を引き出すキーワードだったのかもしれません。

いま、グレーのマントを着ている事実すらを拒んでいるんでしょうか(^ ^)v

「グレーのマントを着ているのでグレーマントさんとお呼びしたのです。グレーのマントを受け入れがたい気持ちが、どこかに潜んでいるのかもしれません。自己を受容する心を強く持てば、グレーもマントのトラウマも...」

「何の話だ、ごらぁー!」

怒鳴られた!

ごろつきさんはすっごい形相で、keiの前に立ちはだかってます。

あー、剣を抜いてるし(^^ゞ

イリーはお腹を抱えて笑ってる、さめは困り顔。

てか、最後まで話をさせてほしかったなー。

「大丈夫、keiもお手伝いしますから、すこし...」

「だから、グレーマントなんて…なんで俺はこんなに怒ってるんだ!」

支離滅裂してます。

「ですからそれは...」

「めんどくせぇ、お前は黙ってろ!」

また怒鳴られた。

「おまえら、そのまま帰れると思うな!とりあえず詰め所まで連行する。」

「連行と言うことは、任意ではなく強制ですね。そもそも何を理由に連行されるの。それにあなた達は警察ではないでしょ!」

ごろつきさんは、いまさら理由を考えてますよ。

「公務執行妨害か!そうだ、そうだ。それに拳銃を所持していたな。もっとくわしく事情を聞かせてもらおうか!」

「公務執行妨害って、あなた達のやってることは公務でないでしょ!」

イリーってば、凛々しい☆☆☆

「警察がいなくなったんだ。自警団が治安を守らなきゃならないだろ!」

「なんで警察がいなくなったの?」

いきなり、ごろつきさんは冷静な顔になりました。

ちょっと沈黙していますよ。

考えてる。

「警察が居なくなったことは放置なの?」

イリーは、さらに問いかけてる。

「それは俺達の役目じゃないからな!とにかく詰所まで来い、お前ら怪しいんだよ。」

たしかに怪しいと言えば、怪しいです。

商人の鑑札だって借り物だしね(^^;;

「トラネコさんが言っていたとおり。拳銃は通産省の輸入証明を持って、商業組合に販売許可をもらいに行ったわ。文句ないでしょ。」

たぶん、イリーの張ったりだと思う。トラネコさんそんなことまで言ってなかったもん。

「まずは詰め所に来てもらってから、そのトラネコさんとやらにも証明書を持って来させよう。警察がいないうえでは、ここの治安は俺たちが維持している。お前達の言い分は聞き入れられない!」

胸を張り"あはははっ!"なんて、いかにも悪者チックに高笑いするのでした。

「お前ら俺達を馬鹿にしてんだろ、覚悟してろ!」

「劣等感は。困った友人ですね。でも、劣等感は退治してしまうのでなく優しい気持ちで...」

「だから、お前は黙ってろ!しゃべれないようにしてやろうか。」

また、ごろつきチックになってます。

ごろつきさんはkeiの胸ぐらをつかむと腕を振り上げたよ。

こわ(-_-;)

でも、はったりだと思おー。

でも、イリーてばやっぱり剣をつかんでる。

リーダーさんもだけど、イリーってこういう横柄な人が大嫌いみたい。

なんて言ったらいいかな、こういう人達。

そして、また捕まった!

kei達はいったい、どうなるのー?

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