第3話 ザウラクへ

離陸が終わると搭乗席の後ろに作られたお部屋に移動しました。

おっきな椅子が前後に二つ、まんなかにおしゃれなテーブルがあります。

夜行バスのような椅子はベットになるみたいです。

テーブルはあたりまえに代理石、へりに金の装飾をほどこしてあります。

王家ですね(-。-;

冷蔵庫も大型モニターあるし、洋酒が置かれた棚もあります。

壁には絵が飾ってあったり、ちょっとした応接室ですねぇ~。

「keiさん、そのお酒を飲んでもいいですよ。父のものですから…」

このお部屋にソファーを持ってきて、お客さんをもてなしたりするようです(^^;

けっきょく、この飛行機はお父さんの専用機らしい。

つまり国王専用機!


イリー家の先祖は、港町の市場の利権をもつ古い商家だったらしいのね。

内陸にあった大きな市場の利権も取得して、その地域の経済をまとめたそうです。

そして、国として独立しました。

独立を達成し、信望もあつかったことで、ご先祖様が国王になったそうですよ。

すごい!!

でも、商業で成り立っている国なので、国王と言うよりも商業国家の社長さんみたいな感じらしいですね??

時代も変わって、今ではとなりの大きな国の一部になってるらしいです。

自治権もあり、経済も自立していて、実際には独立した国家なんだって。

軍備だの、外交だとかを考えたら、面倒でしょ。

その大きな国に税金を払っても、商業に専念できてお得だそうです。

そうそう、お父さんはこの飛行機に乗って世界中で商売をしているそうですよ。

「keiさん、お腹が空いたでしょ。なにか作ってきますね。」

「この飛行機、キッチンがついてる(゜O゜;)」

「父が出かけるときは、シェフもついていきますから。」

ちょっと待っててくださいね!と言い残してお部屋を出て行きました。

しかし、すごいね~。

keiのぜんぜん知らないお金持ちの世界だとおもった。

イリーは富豪のお嬢様って感じしないし、ましてお姫様なんて?

(でもでも、いかにもお姫様な美人さんです~)

イリーが日本語が上手なわけもわかりました。

子供の頃にむつかしい難病を患ったそうです。

それで日本に5年も滞在して治療を受けていたそうです。

子供の頃に5年もいたら上手になるよね


イリーは嘘や内緒がいっぱい、この先が思いやられます~~(-。-;


ところでね、あやしい宗教家のお話です。

ある時、怪しげな男が内陸の国境近くの町に現れたそうです。

その男は神の使いだと言っていたそうですよ。

その後、一ヶ月もしないうちにその町とは連絡が取れなくなってしまったそうです。

その男の情報はまったくありません。

たぶんその男に会った人は、その宗教に改宗され身柄を拘束されてる様子なんだって…

調査団を送ったそうですが、帰ってこなかったそうです。

調査団を送ったと同じ頃に、お父さんは原因不明の病にかかり寝込んでしまわれたそうですよ。

ほんとにね、身体のどこにも異常が無いのに衰弱していくんだって。

なにか魔力を使った魔導術式で苦しめられていると考えられますね。

魔法学校で習った!

「keiさんできましたよ。」

わぁ~天津飯と卵スープだ~!

「おいしそお(^▽^) ほんとイリーはお料理が上手だね。南北東西っいろんなお料理が出来るし~!」

「私の育った国はそういう雑多な国なんですよw」

「雑多だなんて~どれもこれも洗練されてます(^o^)v」

雑多な国とかいうけれど、イリーはなんと5ヶ国語がしゃべれるそうです~。

雑多というより世界が広い。

「keiさん、お酒を飲みますか?」

冷蔵庫から氷を出してくれたよ。

そして、棚からブランディーを取ってくれた。

「父が好きなお酒ですから、美味しいとおもいます。」

グラスに氷をなみなみ入れて、半分くらいブランディーを注いでくれた。

カラカラ、氷をまわして溶かして飲むのね~。

keiの好きなお酒の飲みい方です。

ブランディーをロックで飲むなんてなんて、お父さんに怒られそお。

てか、イリーはコーラを入れてるし~^^;

高級ブランディーのコークハイ!

大富豪にしか出来ないお酒の楽しみ方だとおもった。

おいしい~

ぐびぐびぐびぃ(* ^O)◇ゞ


keiさんは酔っ払ってきたので、さめがこの後をお話しします。

飛行機はは西に向かっているので.なかなか夜がやってきません。

しばらくの間、keiさんはパソコンを使って、イリーさんからザウラクのレクチャーを受けていました。

それが終わると、スマホでゲームしたり、アニメ見たりしていました。

そう飛行機の中でインターネットが使えるんです。

PCでゲームやビデオが楽しめるという事は、何か特別な契約の衛星通信が入っているんだと思いました。

それも飽きてくると、 keiさんが秋田に旅行に出かけたときのことを話し始めました。

まったくペンションにいる時と変わらない様子です。

しかもお酒を飲みっぱなしです(-。-;

まだ良く解っていませんが、何か悪巧みをしている組織と戦おうという時ですよ。

ホント緊張感がないですねぇ。


そして、2人とも黙ったまま窓の外を眺めています。

やっと空が赤くなってきました。

keiさんは自分の置かれている立場を考えて、感慨にふけっているのでしょうか?

イリーさんのお父さんが本当に呪術で、体が弱ってるとしたら。

遠方からそのような強い魔導をかけているということです。

危険な組織が悪魔に魂を売ったのか、あるいは大魔導士か?

keiさんが勝てる訳がありません!

さめも行きましょう!なんて軽はずみに乗ってしまいましたが、少々後悔しています。

でも、困っているイリーさんをさめもkeiさんもほっとくわけにはいきません。

結局は助けに来る選択肢しか無かったんです。

keiさんは何を想像しているのでしょう。

ことの重大さ…

命を危険にさらすことになります。

火星の時や秘密の沼の時とは訳が違います。

悪意を持った組織犯罪です。

「ねぇねぇイリー、あの雲っソフトクリームみたいだよ」

「あっほんとですね、私はアジフライを見つけましたよ。ほらあそこ。」

え~(゜O゜;)

さめの思考は停止してしました。

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