第2話2人の外国人
そういえばですね~。
今年の夏は事件がありまった!
厳密にいえば、トラブルのないので事件ではないのですが...
こんな事は創業以来始めてのことです。
アフリカ系の二人のお客さんです。
ほんとお肌真っ黒!。
言葉はいかにも外国人な日本語なんだけれど、意思の疎通に問題はありません。
ところがですね~、二人はいつも黒いスーツなんです。
しかも、お食事のとき以外は黒いサングラスなんですよ~。
予約のときにね。
「一週間、そちらに滞在したい」と言うの。
でもほらっ1週間なんてお食事を頼まれたらメニューに困ってしまいます。
せいぜい3日分くらいのメニューしかありません。
そしたら、「朝食だけでいいから、料金を安くしてほしい。」っていう希望でした。
長期滞在だし、放射線汚染でお部屋も空いてるし、夕食の手間もありません。
1泊朝食付き1人5000円にしてあげました。
アフリカさん、結局は一ヶ月いまった。
とっても面白い人たちだし、keiの知らないことをいっぱい知っていて、会話も楽しいんです。
ほかの日本人のお客さんとも積極的に仲良くしてくれて、好印象な外国のお客さんなんでっす。
なので、延長延長で一ヶ月!
政府の機関の調査で、よその国の国立公園を調べてるって言ってた。
いやっサングラスに黒いスーツに黒いキャディラックになんて乗って、SPかCIAの捜査官ですw
ところが....
そのアフリカ系外国人さんも"延長"を言わなくなった頃、もう夏も終わりです。
なんとなく、景色に赤みがかって、秋のおとづれを告げている頃。
keiの地方は、あっという間に夏は終わってしまいます。
「ねぇねぇ、イリーっ夏が終わったら、すぐに帰らなくてはいけないの!」
なんか、すっごく楽しくてお別れが悲しいです~。
「山に登ったり、どこかに出かけたり、暇になったこれからが楽しいよ。」
keiの大好きなところへ、いろいろと連れて行ってあげたい。
「秋田とか行ったことないでしょお、とっても面白いよ。」
イリーは困った複雑な表情になっちゃいまった。
さめはkeiのことをみて、「keiさん!」とひとこと諫めます
気楽な気分でいったのにな~。寂しくなるから、もっと遊んでいって!みたいな。
「あの~」って、イリー。
お国に帰って予定もいっぱいあるんだよね。
「keiさんにお願いがあるんです。」
なんか、不安げで恐縮した様子だよ。
表情からして、「もう少し滞在していたい。」と言う申し入れではないとおもお~。
「実は父が病にかかっているんです。なにか呪術のようなもので体調を崩されている様子なんです。」
えっ!
とつぜん、なんですか~??
てか、keiの店にバイトに来てる場合じゃないじゃないですか~。
「しかも祖国では怪しげな宗教家が徒党を組んで、国を乗っ取ろうとしているみたいなんです。」
「えっ!」
宗教集団!
実は国家乗っ取りを狙う営利目的の国際テロ組織ですかぁ~!?
「なにか、魔法のようなものを使っている様子なんです。」
「ひょっとして、それでkeiさんを頼って日本に来たんですか~?」
さめはそういったまま、お口がふさがらなくなってる。
「ハイ、からりんさんのプロフィールに魔法使いと書いてありましたから。」
keiは冗談だって思われる。と思って書いたプロフィールを、本気にする人もいたんだf(^_^;
「keiさんが役に立つかは微妙です。なんてってB級魔法使いですから...」
さめのいうとおり、呪術を使う宗教宗教集団、国家を乗っ取る国際テロ組織にkeiは役に立ちません。
「この一ヶ月、keiさんの信頼を得るために頑張りました。」
そんな風に言われると弱いなぁ~。
「私たちには魔法や呪術の知識はありませんので、どうか相談にのって助けてください。」
イリーってば、いつもの笑顔と裏腹っ!
ないちゃいそうな真剣なお顔です。って、keiの方ががウルウルしてきた~
「いきましょお!」
「いくしかありませんね、keiさん!keiさんが役に立つかどうか解りませんが??」
ちょうどいい事に、まだ9月の予約が入っていなかったのね。
今年はシルバーウィークもないし。
いっぱいお出かけできます。
あら!
泣きそうだったイリー、いまニヤリとしなかった?
「ご援助くださると聞いて安心しました!父の病気も宗教集団もホントなんてす。」
とうとう、ニコニコし始めた(^◇^;)
「笑顔が戻ったねイリー!」
さっきのニヤリと、この笑顔はなんか違うと思うのです。
「いままでの緊張がほぐれたかしら~(うふふ)」
ホント、さっきの泣き出しそうな顔はいったい何処へ?
でも困っているのは本当のようです。
「あっでも~パスポートとか、ビザとかいるんだよね?」
以前のkeiは病気で飛行機の乗れなかったので、パスポートすら持っていないです。
「keiさんは飛行機に乗れないんですか?」
「あっイリーさん、気にしないでください。keiさんは臆病と言う病気で飛行機に乗れないんです。」
keiのことを臆病っていったな~!
「ほんとうに来てくれるんですね。」
「ちょっと怪しいけれど、男に二言はありません!」
ん!
「keiさん、ありがとう。そう言ってくれるとおもってました!パスポートもビザも心配ありません。」
なんか安受けあいしちゃったかしら~!?
国際テロ組織って、いまいちよく分からないんですけれど~。
ダイバードに出てくるような組織犯罪グループのようなのだったら、どおじよお( °o°)
「急いで準備してもらっていいですか?というよりも、もう出かけましょう!早く父の元に帰りたいので。」
わがままを言ってごめんなさいって、イリーはハツラツとしています(⌒-⌒; )
イリーはスマホを出すと電話をかけはじめました。
「ジェイクさん、エルウッドさん、車を用意して!keiさんの了解がもらえました!」
「ひょっとして、あの2人?イリーの知り合いなの?」
電話を済ませると、イリーはニコニコとkeiの顔を見ていますよ。
「内緒にしていてごめんなさい!彼らは父の会社で働いている人達なの。私の監視役です」
keiが準備に動き出す前に、そとで車のクラクションがなりました。
たぶん、近くで待機していたんだとおもお。
といっても、突然何を準備したらいいんだろ~。
「keiさん、歯磨きと髭剃りもちましたかぁ~?さめは電話を転送して、宿泊台帳を持ちました。」
うん!
こういう時は、ちょっぴり頼りになるさめです。
「とりあえずのものでいいと思います。困るものは向こうで用意できますから。それより火の元とか、電気とか、気をつけてください。」
急にあわただしくなってきた!あわただしいの苦手なんだよねぇ~。
えっへん、マイスペースなんです。
戸締りをしてお外に出ると、黒いキャディラックと二人が待ってました。
あらっ品川ナンバーが外交官ナンバーに変わってるよ?
「この方が走行上で都合がいいので、借りてきました。」
そういうと、エルウッドさんがニヤリと笑った。
借りれるもんなの~??
猛スピードで高速道路を駆け抜けると、keiたちは飛行場に向かってたみたい。
てか、この飛行場って自衛隊の施設なんでが~~(゜O゜;)
「日本政府の方に無理を言って、お借りしました。」
えっ!
しかも軍用の輸送機に、キャディラックは向かっています~。
「祖国が気持ちよく貸してくれました。」
あっそのまま車ごと飛行機に乗っちゃうし
国際テロ組織より、イリーさんたちの方が怪しいとおもった(-。-;
電話で話をしていたジェイクさんが落ち着いた様子で話しかけたよ。
「イリーさん、本国まで2回の給油で約18時間後に戻れます。飛行計画も提出済み、すでに離陸の準備が出来ているそうです。」
kei達は車を降りると搭乗席に向いました。
通路を抜けると旅客機のような広々とした室内がありました。
ファーストクラスのような大きな椅子が左右に3つづつ2列ありました。
イリーはkeiに窓側の席を勧めてくれたよ。
ジェイクさんとエルウッドさんは運転席に入っていきました。
「ジェイクさんとエルウッドさんがこの飛行機を運転するの? 」
「あの人達はジェット戦闘機でも操縦できるんですよ。」
CIA というよりも、 ジェームスボンドさんみたいなイギリスの諜報部員っぽいですね。
「以前はどこかの国の傭兵部隊にいたらしくて、父の会社では用心棒みたいな仕事をしてるんです。 」
用心棒ってシークレットサービスみたいなもの?
シークレットサービスがいる会社っていったい(-。-;
「父はいろんな国と商売をしていて、外国で過ごすことも多いの。なので、ジェイクさん達のような人がいないと危険なんです。
「大きな商社の社長さんなの?」
keiは丸赤さんや伊藤九さんのような会社を想像しまったよ。
「本当のことを言うと父は国王なんです。」
ええええ
「びっくりするほどのことではありません。日本の皇室とは違いますから…。王様が商社の社長もやってます。王様も働くし、国民も働く、みんなで国を支える王政共和国ですかね。いちおう国王として父は役員報酬をもらっているそうです。」
"みんなで国を支える王政共和国"
なんかすっこい好い響きですねぇ~。
しかし、町内会じゃあるまいし役員報酬??
「あっそういえば!」
なんかイリーがキラキラしてきた。
「イリーはお姫様ということじゃないの!!」
イリーはちょっと首をかしげて笑って。
「なんで本当のこと言ってくれなかったの(プンプン)」
「本当のことを言っても、雇ってくれましたか?」
イリーはクスクス笑ってる。
確かにお姫様だなんて言われたら困ったかもしれないね。
「機長のジェイクです。当機は福島基地を出発し2回の給油を経て、 18時間後にザウラクに到着します。
ちゃんと機長のアナウンスがあるんだね。
「まもなく離陸いたします。シートベルトを着用し、指示があるまでは、危険ですので絶対に席の立たないでください。」
イリーがシートベルトをしてくれたよ。
「小さな使い魔をお連れのお客様は、ウエストバッグに入れて飛び出さないように注意してください。」
イリーは自分のシートベルト締めながらクスクス笑ってる
ついでにkeiのウエストバッグ開けてさめを確認してくれまった
「それは空の旅をお楽しみください。」
動き出したよぉー
ワクワクo(^^o)(o^^)o
「keiさん、怖くないんですか?」
さめがウエストバックのチャックを少し開けて、keiを見てます。
「このまえ、沖縄に行ったときに飛行機は安全で快適なものと学びまった!」
「そうでしたね」
「チャックをしめて、ちゃんと入っていないと危ないよ!」
窓の外の景色が斜めになった~飛んでるんだとおもお~
やっぱり怖い!
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