21、なぞなぞに答えてね

「なぞなぞです。ボタンを押してしまい、食糧庫の電源を落としてしまった人がいます。小さな子どもが叱られていますが、その子は潔白です。なぜでしょう?」


 いつもいきなり問いかけられる僕だから、今日は先手を打ってやろうと思ったのだ。


 マルは魂の抜けたような顔をして首を傾げた。


「エルさん、どうして敬語で話してるんですか?」


「そこが気になるの?」


「気になります。オフィシャルな儀式ですか?」


「いや、そこに注目されると思わなかったよ」


 彼女は考え込んでいる。ようやくなぞなぞに取り組んでくれるようだ。


「エルさん、マルはどうして敬語を遣ってるんでしょうか?」


「今度はそこが気になるの? 君のコミュニケーションシステムは状況に適応されるから、君が敬語を選んでいるんだと思うよ」


 彼女はじっと考えて、僕を見つめた。そして言う。


「こうやって話す方がすき?」


「ちょっとあざといね」


 彼女は悪戯っぽく笑った。


「ダメだったかー」

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