17、面白くなりたい?

「エルさんのわらいとマルのわらいは種類が違いますか?」


 突然の質問。


「難しいことを聞くね」


「エルさんのわらいの中には、パッと出てくるものがある気がします。マルが何かを言った時にそうなりますよね。マルはおもしろいですか?」


「うん、面白いね」


「マルもおもしろくなりたい」


 彼女はそう言って口をすぼませる。


「今のままで十分面白いよ」


「そうじゃなくて、マルもおもしろくなってわらいたいです。どうしたら、おもしろくなれますか?」


 これまた難問をふっかけられた。


「面白くて笑うのは、意外性が必要だと思う。だから、意外だと思ったら笑ってみたらどうかな」


 彼女はしばらく考えて、


「わっはは」


 と笑った……笑ったと言えるのか分からないが。無表情でそんなことをするので僕は笑ってしまった。


 彼女が目を丸くする。


「あー、ずるいです! マルもわらいたい!」


 そう言って、彼女は「わははー」と笑い声を上げた。

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