5、あなたのもの

「名前はどうしましょうか?」


 彼女がワクワクしたようにやって来た。


「なんの?」


「この前の鉢植えです」


「マルが決めていいよ。君のものだから」


 彼女は首を傾げた。


「命名権は所有権と同化されますか?」


「どうだろう? でも、確かに自分のものに名前をつける気がする」


 彼女は笑顔を見せる。


「じゃあ、マルはエルさんのものですね」


 思いがけない言葉にドキリとしてしまった。


 それなのに、彼女の横顔は無邪気で。

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