第2話 まずは初夜が終わってから
「……うわあ!」
意識がはっきりすると、俺の身体に女の子がまたがっていた。
しかも、裸で。
「やっと起きたか。番(つがい)よ。初夜の儀式を始まるぞ」
「初夜の……儀式?」
深紅の長い髪に、赤い大きいな瞳。
透き通るほど白い肌がきれいだ。
たわわに実った胸は、まるでメロンのように大きい。
恥ずかしいところが……俺の股間に当たっている。
「お前は私の番だ」
「つ、番って?」
「一生、私だけに発情するのだ」
この女の子は何を言ってるんだ?
おいおい、待てよ。
初夜ってことは、この女の子と俺は今から……
「我が番の服を脱がせ」
「え……ちょっと!」
モノトーンのメイド服を着た女の子たちが、あっという間に俺の服を脱がしてしまった。
木の杖を持った、青いローブを纏った女の子が俺を見下ろしている。
たしかにさっき、召喚したとかなんとか言ってたけ……
そう言えば、ここはいったいどこなんだ?
「あの……いろいろわからないのですが、あなたたちは誰ですか?ここはどこなのですか?あと、そろそろ俺の身体からどいてもらえませんか?」
「全部、後で説明してやろう。とにかく今は、初夜の儀式を済ませたい。夜明けまでに終わらせる必要があるのでな」
「いやいや、そんないきなり……」
「そなた、童貞だろう?」
「え?なぜそれを?」
俺はDT(童貞)だ。
20歳で彼女いない歴=年齢。
「童貞だからそなたを召喚したのだ。我が番には、汚れのない男がよかったのでな。ふふ。初々しくてかわいいぞ。そなたの初めては私のものだ」
「姫様ったら、食べたくてたまらないのですね」
ローブを纏った女の子がクスクスと笑った。
「……今の話を整理すると、あなたたちは俺を召喚して、俺の初めてを奪おうとしている、ということですか?」
「物分かりがいいな。その通りだ」
「もし嫌だと言ったら?」
この人たちは、どっかのイカれた宗教の信者だろう。
拒否したら、何をしてくるかわからない。
でも……こんな強引な形で、俺は初めてを迎えたくない。
「姫様……魅了魔法でこの番を発情させましょうか?」
ローブを纏った女の子が言った。
「強引にやるのは私の趣味ではない。私が番を喜ばせればいいのだ」
……まったく話が通じそうにない。
でも、よく考えたら、こんなかわいい女の子とできるなんて、ラッキーなことじゃないか。
股間のほうは元気になっているし。
「せめて、名前だけでも教えてください」
「我が名は、アリア・ド・プリマロードだ。竜族の王、プリマロードの家の長女だ」
「俺の名前は、小坂竜斗(こさかりゅうと)です)」
「ではリュートと呼ぼう。リュート、安心しろ。優しくそなたを導いてやるから」
アリアさんは俺にキスをした。
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