鐘の音
勝利だギューちゃん
第1話
大晦日
除夜の鐘が鳴る。
108の煩悩を振り払うためらしいが、僕は聞いたことがない。
僕の住む街は、古都なので聞こえてもおかしくはないのだが、その108の煩悩とはなんだろう?
あれ?107だったか?
どうでもいい。
昔は、お正月が来るのも楽しかったが、今は楽しくもなんともない。
一緒に過ごす家族も友もいない。
ぼっち。
まあ、いい。
さてと・・・
寝よう。
あれ・・・
どこからか鐘の音が聞こえてくる。
金というより鈴か・・・
時季外れだな。
サンタさんが遅れてきたりして・・・
まさかね。
ドリフのコントじゃ、あるまいし。
「その、まさかです」
窓が開いて、サンタさんが入ってきた。
ミニスカサンタの、女の子。
「ごめんね。遅れた」
女の子は、口は謝っているが、顔は笑っている。
悪いとはおもっていないのだろう。
「反応鈍いね」
「まあな」
「ここは、のらないと」
「飽きた」
「連れないね」
「お互い様だろう」
学習能力がないな・・・
サンタさん。
「マイル、今年はいつまでいるつもりだ」
「飽きるまで」
「いつ飽きる?」
「君次第」
疲れるな・・・
まあ、嬉しいんだけどね。
「ねえ、いっその事私たち結婚しようか?」
彼女は笑う。
「喜んでと言ったら、してくれるのか?」
マイルは答える。
「ふつつかものですが、よろしくお願いします」
本当にふつつかだ。
鐘の音 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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