第11話 真夜中のお誘い
『喫茶店クラッシュ』で魔物カードを現金に交換してもらった後……
『おお!なんてうまそうな料理なんだ!!』
和香里達のテーブルの上には、様々な種類の美味しそうな料理が並べられていた。
『これ全部食べていいのか!?』
「いいよ。そもそもこのお金はゴコが倒して得たお金だからね」
『やったー!いただきまーす!!』
ゴコは大喜びで周りの料理を豪快に食べ始めた。
「美味しそうに食べますね」
『見てるだけでボクもお腹が空いてきました!』
鳴とリスタルはゴコの食事風景を興味深そうに眺めている。
「ゴコって豪快に食べてるように見えるけど、以外と音は鳴らないんだよね」
「本当ですね。よく見るとご飯が周りに飛び散ってません」
『見られてると食べづらい!皆んなもゴコと一緒に食べろ!』
「そうだね、じゃあいただきまーす」
和香里は目の前に置かれた小さなパフェに手を伸ばし、スプーンでアイスをすくって食べた。
「美味しい……!」
「蘭お兄さんは料理が得意で、特に素材にもこだわってるそうです」
「へぇ……凄いね……」
和香里は生まれて初めてパフェに感動し、ひたすらパフェをすくっては口に運んでいる。
『才語さんも食べ物大好きなんですね!ゴコさんとそっくりです!』
「あー……結構そういう所はあるかも……」
和香里はリスタルに指摘されても尚、夢中で食べ続ける。
「リスタル、私達も料理を食べましょう」
『そうですね!』
こうして鳴とリスタルも注文した料理を食べ始めた。暫くして、鳴を最後にようやく全員が料理を食べ終えた。
「ごちそうさま!凄く美味しかった!」
『うまかった!』
テーブルの上のお皿は全て空になり、ゴコも大満足のようだ。
「あっ、カード買わないと!確か此処でも買えるんだっけ?」
「はい、カード自体は知り合いにしか販売してないそうですが、和香里さんになら販売してもいいと言ってましたよ」
「マジで?良かった〜。さて、どれくらい買おうかな……」
(思い切って10パック?いや、確かカードのパックにも種類とかあったような……駄目だ、素人には何買ったらいいか分からない……!)
「ねえ鳴、オススメのカードとかある?どれ買えば良いか分からなくて……」
「ゴコさんを活躍させたいなら、最新弾にはいっている武器カードを狙うのが良いかもしれません。大英雄の剣とは別で強い武器があるんです」
「へぇ〜!じゃあ最新弾のやつを多めに購入しようかな」
「もしお金に余裕があるなら、場合によっては箱買いもアリですね」
「箱買い?それってカードを箱ごと買うって事?」
「その通りです。この喫茶店では1箱に30個入って5000円で販売してます」
「へぇ……沢山買えば目当てのカードが出るかもしれないもんね……」
「目当てのカードが出ない事もありますが、買う価値はあると思います。購入は自己責任ですので、お財布とよく相談しながら考えて下さいね」
「そうだね……」
(今は魔物討伐の為に多めにカードが欲しいからなぁ……)
「よし!じゃあ最新弾のカード1箱購入するよ!」
「分かりました。今日は周りに人は居ないので、蘭お兄さんに直接伝えて購入出来そうですね。もし人が多い日にカードを購入する際は、会計時にレシートと一緒に欲しいカードのメモを渡すと、お洒落な紙袋に入れて手渡してくれます」
「分かった!」
それなら誰にも知られずカードを購入出来そうだ。
「そうだ、もし宜しければ後日、カード交換しませんか?私のリスタルは強い魔法カードで活躍出来るので、レアな魔法カードが出たら是非交換に出して欲しくて……勿論お返しにこちらは強力な武器カードをお譲りします!」
「マジ!?分かった、もし良い呪文カードが出たら鳴に教えるね!」
「ありがとうございます!」
(初めての箱買い……!良いカードが出るといいなぁ……)
「あ、そろそろ6時じゃん。私、もう帰らないと」
『ホントだ!楽しい時間はあっという間ですね!』
「本当ですね……そうだ、和香里さん」
「どうしたの?」
「もし真夜中に魔物が現れた時を想定して、夜の12時に広居公園に集まってみませんか?」
「……12時?」
「はい、カードを上手く使えば真夜中でも不自由無く動けるんです。その時に他のカードの使い方も教えたくて……」
「へぇ〜、そういえば『停止』のカードも外で使えたし……他にも便利なカードがあったりするんだ?」
「はい。地上をもっと早く移動出来るようになるカードもあります」
「へぇ〜面白そう!真夜中に集合とか楽しそう!私やってみたい!」
『夜も動けるようになるのか!?』
「はい。では11時頃に和香里さんに電話をして、家を抜け出す方法を教えますね」
こうして和香里達は一旦別れ、それぞれの自宅に戻ったのだった。
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