モリタ家のドキュメンタリー『下流の宴』

 我が家のドキュメンタリーかと思ったドラマ※1  『下流の宴』。

 高校を中退して。覇気がなく、金銭欲も物欲もなく、何かに奮起することがまるっきりない20歳のフリーター「翔ちゃん」。 一方、「母親・由美子」はドロップアウトした息子をなんとか元のレールに戻そうとして孤軍奮闘。子どもを頑張らせるのは、自分が頑張るよりもはるかに大変で、まったく思いどおりにならないという苛立ちが痛いほどよくわかる。

 5月31日~NHK総合火曜日22時~。

「『翔』ってうちのテツオ(長男・高2)そのままじゃない?」と一緒に見ていたヨシエに言うと

「ホンマ・・・。さしずめ、アタシは黒木瞳(母親・由美子役)やわ。」 「・・・・・・。」   

 ヨシエは原作の※2  本を読破した翌日も長男に

「あんたは私の言うとおりにしとればいいが!」とすっかりコミカルな役が板についている自分に気がつかないほどの名女優ぶり。

 本の中には痛快な台詞や実戦的な受験術の片鱗もみられ、「これはテツオに読ませなければ!」と思ったが、ふと「母親・由美子」になっている自分に気づき、言うのをガマンしている。

                                 2011年7月


※1 ドラマ『下流の宴』

NHKドラマ10(テン)

ストーリー

理想の家庭を築いたはずが、気がついたら崖っぷち。夫は左遷。娘の就活は失敗。そしてフリーターの息子が「下流」の娘と結婚宣言!愛する息子を取り戻すため、「中流家庭」を守るため、専業主婦・由美子の戦いが始まる!

キャスト

母親 由美子(黒木 瞳)

息子の彼女 珠緒(美波)

息子 翔(窪田正孝)

夫 健治(渡辺いっけい)

娘 可奈(加藤夏希)

【脚本】中園ミホ

【原作】林真理子


※2 小説『下流の宴』

林真理子著

2010年3月発売

出版 毎日新聞社

林真理子さんの小説はテンポがよく、切り口が独自で好き。

この小説は、モリタも読んだが、それぞれのキャラクターが際立っていて、その後も何度か読み返している。


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