2023年1月13日金曜日
例年より少し長い冬休みが終わって、今日は始業式だけのために学校まで行った。教室に入ると僕は真っ先に隆太を探すが、どこにも見当たらない。
隆太はたまに遅刻ギリギリに登校するので今いないということは恐らくそのパターンだろう。そんなことを考えながら席に座っていたが、チャイムが鳴った後も彼が来ることは無かった。
始業式のあと、心配になった僕は彼の家に行くことにした。住所だけは分かるので、その場所の前に来てみると、そこには立派な一軒家があった。家の門には"佐藤"の表札がかかっている。
僕は恐る恐るその家のインターホンを押す。
すると優しい女性の声が聞こえてきた。僕が隆太くんの友達ですと言うと、女性はわざわざ来てくれてありがとうと言った。
僕は女性の声に違和感があった。
どこかで聞いたことのあるような気がした。
扉の鍵が開く音がする。
扉から出てきた人は、僕の母だった。
母は僕が僕だと気がついていないようだった。
母の背後には隆太がいた。
隆太と眼が合う。
僕たちの金曜日が、今、混ざり合う。
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