第17話 青春と青春

次の日

朝日が眩しくて暑苦しい今日は、絶好の海日和だった。そう、魅力的な2つの大きな宝物を見れるチャンスだということである。クラスの連中誘って、海パーティとか、開催したら、お金貰えそう。まあそのお金の八割は男子からだと思うが、、。いや、二割は女子というのは、もう分かるよね。男の子の裸を見ていやらしい妄想を広げる女子もいるということだ。いや、でもこれって需要と供給しっかりしてて、本当に開催できるかもしれない。っとそんな馬鹿な事を考えてると、昨日一緒に叱られたある男が話かけてきた。。


「昨日はすまないな。」

どこか反省しているその音色は、なにか、おれも悪い事をしたんじゃないかという、罪悪感も湧いてくる。

拓哉が謝ってきた。あ、そうそう。こいつAの名前は谷口拓哉と言うらしい。偏見だが

、どこでも日本のどの地域にもいそうな名前をしている。要約すると、どこにでもいそうな名前だが、こいつにとても似合っているということだ。


「なんだよ。いきなり謝ってきて。」


俺は不機嫌そうな顔をして、声をかけてきた人物に目線を移す。俺は中学生ながら不機嫌な顔は一通りマスターしている。


「その、薫悪くねえーのに悪いみたいに先生に言っちゃってさ。申し訳なかった。」


拓哉は頭を下げて謝ってきた。今どきの中学生はオラオラ系でヤンキー憧れてます。タイプが多い気がするが、こいつみたいな素直タイプのほうが女子にはウケが良いと思う。今からオラオラ系はジョブチェンジして純粋無垢な中学生を演じだほうがいいのではないだろうか。タイプがいきなり変わったらそれはそれで気持ちが悪いが、、。


「いや、今更謝られったって仕方がないだろ。もう終わったことだし。ってか何なら今ニヤニヤしてる昨日野次飛ばしてたあいつらに謝ってほしんだが。」


っと、視線を移す。

目線あるいは寒気でも感じたんだろうか、さっきまでニヤニヤいていた奴らはピタッと止める。まるですべての時間が止まったようだった……………………っとそんなことはなく、すぐに笑いを堪えるのに必死になっていた。、、、、分かりやすい。



「お前らな、そろそろ痛い目みねぇ~とわからなさそうだな。」


「な、何をするつもりだあ。」

ノリが良いやつめ。

「お前らが一番嫌がってるあの行為だよ。」


、、か、、。」


「ああ、そうだよ。あれだよ、あれ。」


「「申し訳御座いませんでした薫パイセン。」」


「なんだっけお前ら。あやまって許されるなら警察いらないんじゃなかったっけ。なあ。」


「「全くもって仰るとおりでございます。」」


「だよな。で、それを前、俺様にいったよな。」



「「それは、そうですが、、。言ったのは一人だけでして、、。」」


「ほほーん。そうか。そうか。でもな、この世の中は不条理なんだよ。全く自分のせいじゃないのに、変ないちゃもんつけられてな責任をかけられる場合も存在する。例えば、分かりやすい例でいうといじめとかな。小学校の授業で、加害者も勿論悪いけど傍観者だって悪いって習わなかったか。」



「でもな、俺別に傍観者ってわるくねえーと思うんだよな。確かに、傍観者から加害者になっちゃうやつや野次飛ばしているやつはそいつは悪いが、見てるだけで悪人扱いするのはどうかと思うんだよな。でさいじめられてる子の事を庇ったり関わったら、次のターゲットは俺かもしれないって普通は思うし、怖いよな。でも先生はそのことを強要してんだぜ。頭おかしいだろ。自ら自己犠牲しろって言ってるもんだぜ。だからな、責任を傍観者側にかけるこの世の中は間違ってるし、それを授業で、教える先生もおかしい。だけどな。やっぱ、一番怖いのはいじめられている側だし、被害者はそのいじめの関係者全員悪いって思ってそうだし、多分何よりも傍観者の視線が怖いよな。だからさ、、、。」


これを言いながら、俺は何、感情的になってるんだ。と思っていた。普通のいつもどおりの会話なはずなのに、、。




「いや、なんでもない。とにかくこの世は連帯責任だから、誰がいったとか関係ねえーんだよ。」




「そんな、、。」

多少語彙力があるやつは、世界に絶望し、

「薫、どういう意味?」


「ねえねえ、教えてよ。」

多少勉強が追い付いてないやつは、意味が分からず、、。


「今のお前らには分からなくていいよ。」



「えぇー。教えてよ。」


「俺がいったところで、理解できるかわからねえから。」


「薫、今俺達のことバカにしたなあ。」

っと、少し起こりながら純粋無垢な中学生はガヤガヤしていた。




っと、散々俺は中学生だからわからないか。とか言うが、実際まだ俺も中学生なのだ。少しはみんなより大人びてる感じはあると自負しているけど、まだ、経験が足りないから、そういうことはあまり言わないほうがいいと思うな。まあ中学生だからと言うのは、まだ自分が子供の証なのかもしれない。要するに中学生を舐めていけない。


今だけはその中学生しか味わえないものを味わうのもいいな。









廊下にて

「俺別に、、、、、、、ねえーと思うんだよな。、、、、、、、。、、、、、、、、、。だからさ、、、、、、、、、、、、、、。」

私は薄っすらと聞こえるその声に耳を澄ます。その声は柊薫のだった。


「あの喧嘩した子ね。」

何を言ってるのかよく聞いてみると、なんといじめの話をしていた。私は一瞬いじめの道徳でも生徒内でやってるのかとそんな素晴らしい事を妄想していたが、そんなことはなくただの現実に対する皮肉だった。というか、中学生で皮肉って大人すぎないかな。最近柊薫に対する評価が、ぐんぐん伸びてきている。そして、その生徒の担任なった私は少しだけ嬉しく思う。あの子は何思って何を考えながら成長して、大人になるのだろうか。そんな少しだけ浮かんできた疑問を掻き消す。そんなことを考えても無駄なのだ。現実は厳しい。


でも、厳しさをなにか別の希望にさせるようなそんな可能性だって彼にはあった。


そんな普段は考えなさそうな非現実的な想像をしていた私は今だけはその厳しさを忘れさせられるように明るく振る舞って、その教室に入る。


「あ、先生じゃん。おはようございます。」


「おはようございます。」

そしていつもの教壇にたち、なるべく笑顔で、明るく、、、。


「じゃ授業を始めるので、学年委員さん。号令をお願いします。」





運がいいのかわからないが、次の授業は道徳だった。









放課後


「最近さ、薫たちの調子ののり方異常じゃない?」


「そうね。最近は特にね。」


「ちょっとここら辺でわからせないとね。」


「ちょっといっちょやるか。」


「じゃあさ、、、、を、、、ればいいんじゃない?」


「そうだね。そうすれば薫は絶対に、、、、にくるね。」


「それの裏をかいてさ、、、、、すれば、、。」


「ばっか。それちょーいいじゃん。」


「じゃ明日からそれで、、、。」


「おっけえええー。」

彼女や彼らも自分だけの青春を楽しんでいた。

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