第0章 薫と灯の問題

第16話 普通の日常とそこに入り交じる憎悪に満ちた嫉妬

「お~~~い。かーおーる。」

「薫っちさ、、、。」

「薫くんてさ、、、、。」

俺の周囲に人が集まる。それが俺の、、。いや中学生時代の俺の普通だった。











「おい、おい。(笑)みんなちょっと待てよ。俺、聖徳太子じゃないんだから。みんなの話は一斉に聞けないよ。一人ずつね。」

確かにな。ね、みんな俺のことが好きなのは分かるんだけど、、ちょっと自分の時間も欲しいなあって思うわけですよ。だからさ、少し遠慮してくれるとありがたいんだが、。まあ中学生だからな、わからんか。まあ僕チンは大人なので、優しく受け止めてやるよ。


「ごめんよ。友よ。」



「ごめんね。薫くん。」

え、何、俺悪いことした?全員一斉に泣き出したぞ。これ担任に見られたら俺の評価どん底に落ちるんだけど、。絶対に阻止しなければ、これは成績に関わる。


「いや、泣くほどじゃ、、。」

っと、そんなことをいっていると俺の周りにきた


Aくんのポケットからなにか飛び出そうとしている。


「カタッ」

思った通り、その物体は落ちた。一応優しいに定評があるおれはその物体を拾おうとするとAくんはすぐさま俺の前に立った。


「あ、ありがとうね。薫っち。でもだ、ダイジョウブダヨ。自分で拾うから。」

明らかに、不自然だ。怪しい。俺の目は誤魔化せん。

逃げようとするAくんになるべく優しいに声色で声をかける。



「おい、ちょっと待って。お前が今手に持ってるものは何だ?」


「ヒィッ。」

優しく声をかけたつもりなんだが、怖がらせてしまったそうだ。


「ご、ごめんね。薫っち。あのこ、これはその、、。」

案の定、Aくんが手に持っていたのはまあおそらく涙を出すために使ったんだろう。目薬だった。


「ほほう。なんで、これを学校に持ってきたんだ。理由を聞かせてみろ。」


「ヒャっ。」

ピクピクと全員が肩を震わせるといっせーののタイミングで泣き出した。おいおい、演技のために使った目薬いらなかったじゃねーか。ってか俺そんな怖い?もうちょっと笑顔の練習をしねーとな。家族にもお前は子供の頃から愛想がない子だった。って言われてきたしな。いやてかさ、それを実の子に言うってとても残酷だと思うんですけど、。そこらへんをしっかりしなかったからこんな変な性格の子が生まれてきてしまったんだよ。しっかりしろよ。もう。



「はあ~。本当に泣いてどうするんだよ。ったくもう。」

そんなこんなでみんなが泣き止むのを待とうとした時、ちょうどそのタイミングだった。



「ガラガラガラガラ−−−−−−−。」

次の担当の先生が教室に入ってきたそうだ。ん?教室に?入ってきた?え?やばくね、、、、。え、、、、。ちょっと待って、、。この一部分だけ見ると俺悪魔なんだけど、。はっははははは。


「薫さん。ちょっと、、。」

先生はめっちゃ顔をしかめている。いや、そうだよな。この状況だけ見るとね。俺が先生だったらこの生徒を殺しにかかるけど、。ちょっとまってくれ先生。違うんだ、、、。



「いや、先生違うんスよ。これは不可抗力っていうか。」

必死に言い訳しようとする俺を横目にさっきまで泣いていた奴がみんな笑ってる。おい、、。お前ら、。後で覚えとけ。クソやろーーーー。




「薫。言い訳は意味ね〜ぞ。」

お前だろ。目薬持ってたやつ。


「かおるくん。なんか面白そうだから行ってくれば。後で私達ちゃんと怒られるから。」

行ってくればってそんな軽々しく。


「いや先生本当に俺悪くないんですよ。悪いのはこいつらなんスよ。」



「薫さん。責任転嫁ですか?どれほど私の信頼を落とせば気が済むのでしょう。」


先生、。本当に違うんスよ。信じてくれー。この時、薫は気がついた。今までためてきた信用はちょっとやそっとのことですぐ崩れてしまうことに。いい勉強になったよ。じゃねーよ。


「薫。目薬いるかーー?泣いて媚びれば許してくれるかもしれねーぞ。」

おい。お前どんだけ俺をいじめれば気が済むのでしょうか?Aくん。ってか気付かぬうちに名前呼びだし。


さっきまで俺のことを刺すような感じで見てきた先生が、次はAに視線を移す。長時間見つめられないほど俺のことが嫌いなんですか?そうなんですか?と、そんなことはなかったらしく、、


「ところでAさん、。あなたなんで学校に目薬持ってきてるのでしょうか?先生の許可は得ましたか?」


「うっ。」



馬鹿だこいつ。ざまあみろ。お前も道連れだあーー。馬鹿なAを先生のとこまでひぱっていく。おい、お前、抵抗するな。おい。俺の尻さわるなよ。ちょっあ、あーん。ちょっと気持ちいい触り方すんな。A。興奮するだろうが。ったく。


そんな様子を見ている先生が鬼の形相みたいな顔をして


「はあ~。このクラスは問題児しかいませんね。いいから、二人共来なさい。」

と言ってきた。めっちゃ怖かったので、そのまま抵抗できず、刑務所に連れられる犯罪者みたいな扱いで地獄という名の生徒指導室に連行された。









俺たちが教室をでていくと憎悪に満ちる声が廊下までに響いた。












「ざまあ。いつも調子に乗ってるからだよ。」

クラスの大和は言った。


「それなーー。チョウシノッテルテイウカ。」


クラスの朋子はいった。ん?同じこと言ってない?会話のキャッチボールできるのかな?ていうか、この女子多分声聞いて分かるんだけど、俺に告ってきたやつじゃね。振ったあと態度変え過ぎでビビるよまじで。




「薫、気にすんな。」

Aは話かけてきた。励ましてくれるようだ。しかし、励まされる程俺は弱くない。


「ほら、言うだろ。嫉妬してるから人はその人に悪口を言うって。」


「ああ。そうだな。ありがとうな。励ましてくれて。でもな、たぶんお前が思ってるほど俺は強いから大丈夫だぜ。」

そう、自信満々に言うとAは


「そうか。」

そう言うとAは白い歯をニッとだして笑っていた。こいつ口悪いけどいいヤツなんだな。折角だから名前しらんし聞いておこうか。


「ところで、お前名前なんて言うの?」


「はあ?」

なぜか知らないがAはポーカンと口を開けて硬直していた。


「おいおい、ちょっと待てマジで知らないの?」



「うん。」

はあ?何いってんの。知る訳ねぇ~だろうが。



「お前一回死んだほうが世のため人のためになるぞ。」

はあ?何言っちゃってるのこいつ。これを言われた俺はもう怒りの沸点はゆうに越していた。


「はあ?お前こそ死ね。」




「ぶち殺す。」



「はあ~。お前とはここで決着をつけなきゃいけないようだな。馬鹿クソ性格悪夫。」

何?馬鹿クソ性格悪夫って小学生の悪口かなにかですか?



「もっといい名前つけろよ。暴言厨。」


そんなこと言ってると、。


「貴方達〜〜〜〜〜〜。」

先生がすっごく怒っていらしゃった。




「はあ~。先生そんなにカリカリしてなに、生理ですか。」


先生は一息ついたあと、笑顔で、、、



「A、お前らの喧嘩に混ぜろ。薫を二対一でボコボコにするぞ。」

と言ってきた。あれ、なんかめっちゃ怖いんすけど。人のだめな部分見た感じなんすけど。いやだ、女性怖い。


「あ?了解です。二人でフルボッコにしましょう。」


「だめですよ。数の暴力は卑怯ですよ。先生とクソ野郎。」



「ああん?今言われた言葉よりもよっぽど優しいと思うんだが」

ちょっと待って、。先生さっきと全然口調違うんですけど。まってなになに。Aと先生なんか構えが本気なんですけど、。いやだ、怖いいい。



「や、やめて~〜〜〜〜〜〜。」

俺の悲鳴など閉ざされた室内では誰にも聞こえるはずなく、先生とAは殴りかかってきた。

だから、Aお尻さわるなって、、。



やっと、一段落ついた頃、俺の顔はぐにゃぐにゃのペコンペコンになっていた。


いやなんか、こいつら俺の顔みてなんかぷるぷる震えてるんだけど


「か、かおる。お前、顔大変な事になってんぞwwww」



「あら、かおるくん。この顔をネットに晒されたくなかったら、大人しく正座して反省するといいわ。」




「またまた、冗談ですよね?」



「ああん?」



「ヒィ。や、そんなことないですね。先生が冗談なんて言うはずありませんよね。や、僕何勘違いしていたんだろう。こんな美しい女性が嘘なんて、、。」



「う、美しい。そんなこと言われたことないからちょっと照れるのだが、。まあ今回は仕方ない、早くふたりとも教室に戻りなさい。」

いや、先生は普通に美人だと思うんですけど、、。


「いいんですか?」

と目をキラキラさせながら聞くと、


「今回だけね。許してあげるとするわ。」




「先生マジ神。人生の恩人。女神。」



「ふふふ。早く戻りなさいみんなもあなた達のこと待ってると思うから私もすぐ行くわ。先に戻ってみんなに伝えてね。」


「はい、了解です。任してくださいよ。」

そんなこんなで、魔王から離れた俺たちは、すぐさま生徒指導室という地獄から離れ、元ある場所に戻ろうとした。




























廊下にて




「ところで、あの先生マジチョロかったなあ。」



「それなー。次怒られた時も容姿を褒めれば許してくれるのでは。」



わりかしいい案では。よし決めた。次も使おう。











「それ、次使おう、、。ってひゃああああ。」

お前、後ろ見ろ。バカバカバカ、いヤダ怖いいいいいいいい。


「どうしたんだよ。薫。あの性悪女教師から離れられただろ。ってひゃああああああああああ。」

俺たちの後ろには魔王が笑顔で立っており、ニコニコしながら拳を握っていた。




「あなた達、ちょっとお話聞かしてもらおうかしら。」

その笑顔が怖いんですけど。











有無を言わさず先生は俺たちのを引っ張りあの地獄の室内に入れさせられ、永遠と長い説教を聞かせれたのであった。




























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あの時は気付かなかった。自分が恵まれた環境にいたということを。


高校生の俺はいまとても後悔している。

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