第5話 クソニートと女たらし


「天界へようこそ。柊薫さん。」


俺は自分の目を疑った。だってここは、


「天国じゃねーかよ!!!!!!」



おいどういうことだ。最近いろんなことが起きすぎてて頭の処理が追いつかない。

目の前には顔がいい女神が椅子に座っていた。この空間はとても神聖的で悪を絶対許さないという気がする。何ならこれをと言ってしまってもいい気がする。呼吸を整えながら俺はその女神に聞いた。


「俺は死んだのか。まじかよやり残したこといっぱいあるし、結婚だってまだしてねーんだぞ。どうするんだ?」

前言撤回、全く呼吸整えられてなかった。

「ちょ、ちょっとぉ。(汗)」



「おいお前神様だろ、漫画みたいに蘇らしてくれよ。彼女も作ったことねーし。まだそのヤ、ヤったこともねーんだぞ。ってか俺何が原因で死んだんだよ。クソ野郎。早く答えろよ。おい、クソ野郎。聞いてるのか?なんで黙ってんだよ。おい。」



「あなたが喋らしてくれないからです!!!!!!!この女たらし!!!!」

考えてみろ。この反応は正常だろ。普通の男子高校生が寝たらいきなり天国に飛ばされたんだぞ。逆に冷静だったら、異常だろ。ってか今、物凄く酷い事言われたような気がする!!



「はあ?女たらしは余計だろ!!」



「だってホントのことじゃないですか!」



「じゃお前はクソニートだな。だってここにいてなんにもしてないだろ!」



「ちゃんと仕事してますし。とは違って!!!!ちゃんと女神してます。しかし、あなたという人は毎日ダラダラ過ごしてせっかく女の子が手料理を振る舞おうとしているのに「俺、コンビニ弁当あるから。」ってあなたは人間の心ってものがあるんですか?」


そこまで見られてるのかよ。おいおい神様にモラルってものはあるのか?



「俺の声にちょっと寄せるなよ。クソニート。」

めっちゃ似てる。



「だから違うと言ってるじゃないですか。女たらし」

こういうことがあるから世界に争いはなくならないのだ。ってかなんかどっかで聞いたことがあるような声だな。


「ぐぬぬ」

俺は神様のことを睨むと、


「ぐぬぬぬ」

あっちもにらみ返してきた。顔が可愛いせいでなんにも怖くない。


「ご、ごほん。聞いてください。柊薫さん。あなたは死んでいません。あなたにお願いがあって現実世界からお呼びしました。」


あれそれって俺じゃなくてもいいのでは?


落ち着きを取り戻した女神クソニートは可愛らしい瞳で俺の顔をまっすぐ見ている。せっかくあの憎ったらしい神様と話せる機会チャンスができたんだぞ。少しは話を聞いてやるか。そして今まで運が悪かった分運を良くしてほしい。



「そんな顔してどうしたんだよ。女神」



「さっきもいったのですが私と付き合ってくれますか?。」


表情は変わらず、いやちょっと暗い顔しながら神様は言った。その姿はまた人間らしい魅力を感じてしまった。さっき?声が似てる?女神?


ピッカーン!!!その時俺の頭にライジングが落ちて、高速回転した。してしまった。

ああそういうことね。こいつあのときの告白してきた、女だ。ふざけて女神とか言ってたけど、本当に女神だったわ。あのときからもうフラグビンビンにたってた。泣きそう。もうやめてーや。


神様。








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