第3話 元幼馴染とコンビニオタク
智樹と話が終わると、俺はすぐさま家に帰っていた。
「ただいま」
誰もいない部屋に向かって帰宅の挨拶をした。俺は中学校の頃トラブルがあり
今は一人暮らしをしている。
「おっっかえり♥」
っていたあああ!!!!
「お、おう。ただいま。てかなんでいるんだ。灯?」
こいつは俺の元幼馴染の赤塚灯だ。中学校にいた頃、みんなには赤ちゃんという愛称でよばれていた。いじられている気しかしないが、本人はその愛称でよばれるととても嬉しがるそう。
「薫に会いたかったからだよ」
俺は引っ越しし、灯の家と離れてしまったが今でも月1くらいで遊びに来てくれる。
「ふーん。なるほど俺のことが好きだからか。」
「?そうにきまってるじゃん!.....あっれーーーー?な~に照れてるの?」
そして灯は俺のことが好きらしい。そういうことを思春期男子高校生にいったらうっかり勘違いしてしまうから気をつけようね。赤塚灯さん。そんなことを考えていると、
灯は俺に近づき耳元に囁くように
「か お る♥」
「ふぐっ」
「顔あかいよー?」
「うるさい。.............あ、赤ちゃん」
「ひゃっあ、、」
「ざまぁ変態」
「薫も照れていたじゃん」
「別に暑かっただけだし」
小学生レベルの会話していると、灯が、
「そんなことより!!!·····薫、最近ちゃんとしたもの食べてる?」
いつもなら変な喧嘩をして灯が帰る所だが、突然そんなことを言ってきた。
「おう。食ってるぞ」
「たとえば?」
「コンビニ弁当、カップラーメン、PIZZA、カップ焼きそば、あと...」
「もういい!今日は私が作ってあげるから、大人しく待ってて」
「いいよ。今日はせっかく昨日買ったコンビニ弁当があるから。いやconvenience store bentoがあるから!」
「いや英語で言わなくていいから。はあ〜。体調悪くなっても知らないよ。」
「大丈夫だ。俺は健康体質だからこの生活を2年送っているのに一度も体調悪くなったことはない。」
運は悪いけどな。
キッチンを覗いた灯は驚いた顔で戻ってきた。
「ちょっと待って。薫正気?さっき薫のキッチン覗いたんだけど何で料理器具一つも無いの。」
そんなの当たり前だ。なぜなら
「必要ないから。お母さんに要らないものは買うなって習わなかったのか?」
「はい?料理器具は必須品だよ。薫さ大人になったらどうするの?今のうちに自炊の経験しとかないと後悔するよ!!」
「未来の事なんて今わかる訳無いだろ。後悔しないかもしれないし。そんなことにビビってちゃ逆に人生後悔するね。」
「はいはい。薫らしいね。はあ~。じゃあ私もうやることないし帰るね。。」
「おう。ああ!!ちょっと待って傘持ってるか?何なら貸すが?」
「持ってる!!!!」
「ガチャ」と勢いよく扉がしまった。あれ怒ってる。なんか悪い事しましたっけ?
帰り道
勢いよく扉を閉めた私はさっきのことを思い返していた。
「私の料理よりコンビニ弁当ってどんだけコンビニ好きなのよ。あのコンビニオタク」
「おう。ああ!!ちょっと待って傘持ってるか?何なら貸すが?」さっきの会話をふと思い出すと、
急に顔が赤くなり、
「そういう何気ないようなことを出来ちゃう所が好きなのよ。もうっ!」
と変なことを言ってしまった。もうコンビニオタクなんて好きにならないんだからね。
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