第380話 初心者育成

「高坂さん、今日もお願いします!」


 元気の良い新入生の女子に声をかけられる。


「おう! 分かった!」


 それを返すと今度は男の子にこう言われる。


「高坂さん! 今日は俺の戦い方を見てくださいよ! 悪いところがあったら指摘をお願いします!


「任せろ!」


 そうは言い返すものの、実際全員の指導など1人でできるわけがない。


 という訳で物理系は佐藤に任せて魔術系を俺と結美が担当している。


 そして蜜香には強化系の担当をして貰っている。


 本当に忙しすぎてやばい。


 初心者の育成は俺たちの稼ぎにもなるのだが、あまり利益率は良くない。


 しかし、人間同士のコミュニケーションが取れるのでどんどん俺たちの知名度が上がっていくのは悪い気はしないな。


 こうした活動を1ヶ月も続けると、初心者だった子達もそこそこ戦えるようになってきたし、ゲート攻略も行うようになってきた。


 独立するものもいれば、このままこの学校で頑張ると言う子もいる。


 それは個人の自由なので好きにすれば良い。


 ただ、意外と部室の居心地が良いのか残る者は多い。


 俺たちの方針が気に食わない一部の者達が独立して行っている感じだ。


 それもその人の人生だ。


 俺がとやかくいう必要はない。


 初心者育成がひと段落した所で茶髪のサイドテールの一年生が俺にお茶を入れてくれるのだった。

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