第209話 因縁⑤
「卑怯? なにがだ?」
いきなり訳の分からないことを言い出す伊藤を俺は理解できない。
「男と男の勝負に外野は要らないだろ!!! さあ! 早くその3匹を片付けて俺と一対一で勝負しろって言ってんだよ!!!!」
「...はぁ?」
俺は思わずそう呟いていた。
「あのなぁ...、これは戦いであって試合じゃないんだぞ? 何でわざわざ自分が不利な状態にしないといけないんだ?」
そう、これが仮に試合であれば伊藤の言い分も分かるのだが、これは試合ではなくれっきとした戦いなのだ。
そんな事も分からないのかこのアホは...。
いや、アホだかあらゲートを破壊したのか? どっちなんだ? まあ、考える方が馬鹿らしいか。
俺はため息を吐きながらも使い魔達をカードに戻した。
「ははっ! 話してみるもんだな高坂! これで俺の勝ちは決定した!」
そう言いながら俺に斬りかかる。
ザシュという良い音が聞こえた瞬間に俺の体が裂け...はしなかった。
代わりに伊藤が斬り裂いた物体から毒が噴き出して毒状態にする。
「何っ!?」
「【
ずっと覚えていたのに全く使えなかった魔法をバンバン使えるの楽しいな。
いつもなら俺がこんなにデバフを使う前に勝負がついてたから使う間がなかったのもあるが、やはり使わないのは勿体無いと思う。
「...ハァ、ハァ...、くそ! なんで毒の周りがこんなに早いんだ!?」
などと言いながら息を切らす奴に教えてあげる事にするのだった。
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