第207話 因縁③

「お前が俺をぶちのめす? はははっ! 笑わせてくれるな高坂君はよぉ〜! お前如きがこの俺に勝てると思うな!」


 笑いながら走ってくるやつの動きは素早いが、それならば足を止めて仕舞えばいいのだ。


「【拘束付与バインド【デバフ合成】麻痺付与パラライズ】!」


 俺は最近習得した魔法と麻痺を組み合わせて奴に放つ!!!


「っんだそりゃ...」


 驚く奴に地上から放たれた無数の鎖が襲い掛かった!!!


「チッ!!!」


 俺の【デバフ合成】された実態を持つデバフ攻撃に驚きながらも躱し続ける伊藤。


「ぐっ!?」


 1発だけダメージを食らった瞬間に鈍足になる奴を見て俺は笑った。


「一撃を貰ったな? もうこっちのもんだ。【ウィークポイント】!」


 俺の魔法が奴に標準を合わせた。


「何だこりゃ? ただ派手に相手をマークするだけの魔法か?」


「いいや違う。すぐに気がつくだろう」


 俺は奴にそう呟くとアル子に【突進】を命じた。


「馬鹿が! そんなとろくさい攻撃が俺に通用するかよ!!!」


 確かに一回拘束と麻痺をを与えたくらいでは動きが鈍くなる程度で済むだろう。


 しかし、こと戦闘においてはその鈍い状態というのが非常に危険なのだ。


「うおらっ!!!」


 アル子の突進に合わせてカウンターを行う伊藤だったが...!


 ガシッっと俺の鎖が奴の剣を絡め取り動きを封じる。


「なっ!?」


 驚く奴にアル子の突進攻撃が炸裂するのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る