第111話 ケロナの進化

 進化したケロナは呆然としていた。


「...何が起こったんです?」


 と呟く彼女に手鏡を見せる俺。


「えっ...ええ〜!? 私...大きくなってる!?」


「ひゅ〜! やったじゃんケロナ!」


「よく見たらミルティお姉ちゃんも大きくなってる!!!」


(今気がついたのかケロナよ...)


 まあいいだろう。


 俺はいつものようにケロナのステータスをチェックするが、やはり戦闘向きのステータスをしていないと思う。


 姉のミルティは完全に戦闘員だが、妹のケロナは完全に料理人だ。


 覚えているスキルがどう見てもそれを物語っている。


「えっと...【調理技術UP】に【釣りの技能UP】そんでもって【食事にステータスアップの効果付与】か...」


 個人的に最後の効果が1番大きいな。


 つまるところケロナの作った食事を食べることで少しずつでも強くなれると言う事だろう。


 食べる事で強くなる...か。


 なんかどこかで聞いた事があるフレーズだがいいか。


 料理の腕はケロナ次第だが、確実に上手くなっているのは俺も分かっている。


 このコロッケの味も前より良くなっているし、確実にうまくなっているな。


 俺は彼女の作ったコロッケを食べながらそう思うのだった。

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