第49話 刑務所からの脱走
「でも脱走って...一体なんで?」
俺の言葉に母さんが答える。
「実は、森虎おじさんも【覚醒者】だったらしいの。それで悠々牢屋を蹴破って逃走したらしいのよ」
「...まじか」
「うん。だから和希。ちゃんと真菜ちゃんを守りなさいよ」
しっかりとした目で俺に視線を合わせる母さん。
「うん。大丈夫。俺が真菜を守るよ。森虎の奴が現れても大丈夫」
俺がそう告げると母さんは笑みを浮かべる。
「任せたわよ。これは【覚醒者】になった和希にしか頼めない事だからね」
「うん、真菜の事は任せて」
そう呟いた俺は一度自分の部屋に戻る。
まだ明日も明後日も学校は休みだ。
今のうちに真菜と一緒に少しでも強くならなくてはならない。
そこでスマホでゲートの位置を調べる。
【覚醒者】向けに良い狩場を既に政府が位置情報として送ってくれているようで、少しスマホで検索するだけで腐るほど出てくる。
そこで分かった事はゲートの色についてだ。
青色=比較的ゲート内の魔物が弱く初心者向け。
緑色=まあまあゲート内の魔物が強い手慣れた人向け。
黄色=かなり手強い魔物が存在する玄人向け。
桜色=現段階では絶対に手を出してはいけないレベル。
赤色=生きて帰る者さえいないレベル。
らしい。
他にも色々な色のゲートが確認されているらしいが、基本的にゲート内の魔物は色が薄ければ弱く、濃ければ強いらしい。
それを加味すると、やはりまだ俺たちは青か緑のゲートでレベルを上げるのがいいだろう。
しかし、既に確認されているゲートはわざと残されている物も多く、大したお宝はないのだろう。
最初のダンジョンで手に入れた【マナ石・極小】と言うアイテムがあるのだが、あれですら相場5000円程度になっている。
どうやら政府は新たなエネルギー源としてゲートの存在を認識し始めたらしく、こう言った異世界のアイテムは高価で取引されているらしい。
(...そうなると自分でゲートを探知して稼いだ方が効率はいいな)
とは言ってもまあ、そんなの予測できないんだけどな...。
俺はスマホに齧り付きながら、良さげなゲートを見ていくのだった。
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