第47話 妹と魔物
家に帰ったら早速妹は仲間モンスターと風呂に入っていた。
「あっ! リィカちゃん! ちゃんと羽洗わないと汚いよ! アル子ちゃんはしっかりと洗わせてくれるのになんで逃げるの!?」
と風呂場から楽しそうな声が聞こえてくる。
仲間モンスターと仲良くしてくれるのはありがたいが、テイムしたモンスターには魔物の本能的な物は残っていないのだろうか? そこだけは心配である。
お風呂から上がって寝巻きに着替えた妹が俺にこう尋ねてきた。
「ねぇ兄ちゃん」
「なんだ?」
「今日は皆と一緒に眠ってもいいかな?」
妹の願いに俺は頷いた。
「まあ、良いんじゃね」
「ありがとうお兄ちゃん! 皆行こっ!」
妹がそう呟くと魔物の皆は妹の後を着いて行った。
「ふぅ...」
楽しそうな声が2階から聞こえてくるのは心地良いが、少し疲れたな...。
そう思っていると母さんが紅茶を淹れてくれた。
「和希。慌てないで聞いて欲しいんだけど...」
「何? 母さん?」
なぜか2階への階段の方を見ながら小声で呟く母さん。
しかし、なぜ小声で喋ったのか後の説明でよく分かった。
「実は...、森虎が刑務所から脱走したらしいの」
その言葉は俺にとって衝撃的だった。
「森虎って...あの森虎か?」
コクリと頷く母さんの表情はとても真剣なのだった。
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