第46話 盗みの技

 真菜が砂浜クラゲに近づいて早速【盗む】を発動する。


 相手のドロップアイテムから【砂浜クラゲの短剣】を盗み出すと、それを装備してクラゲの触手を斬り裂いた。


(うへっ! 意外と躊躇ないな!)


 いつも心優しい妹にしては結構ガチめな攻撃をしていると思う。


「これで終わり!」


 最後に短剣を頭の上に投げつけて倒してしまう。


「ふぅ...。どうだった? 兄ちゃん!」


 と声を上げてくるが、意外とやると思わずにはいられなかった。


 小五の癖になかなかやるじゃねぇかと言いたい。


 まあ、それでもあんまり戦ってほしくないのはやはり兄としての本能だろうか?


 妹なりに俺の手伝いがしたいと言う気持ちはありがたいが、あまり危険な目に遭ってほしくないとも考えてしまうのは間違いではないだろう。


 まあ、今日はこれくらいで引き上げるとするかな。


 夕日に染まる砂浜を歩きながら、俺と妹は魔物達に囲まれながら歩く。


「...こうして兄ちゃんと歩くの久しぶりな気がする」


「...そうだな」


 今思うと高校生になってからはこうして歩いてやってない気がする。


 中学の時は家の近くが学校だったので一緒に投稿してやれていたが、高校になってからは片道20分はかかる位置に高校があるのであまり一緒に居てやれなくなってしまったたな...。


 ぎゅっと小さな手で握り締められる中。


 俺と妹は家に帰るのだった。

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