第29話 目覚め
俺たちが村に戻りレイナの家の2階に上がると...。
「カズ...君?」
俺が部屋に入ると同時に桜色の髪を靡かせた美少女である結美が弱々しくも声を発した。
それが堪らなく嬉しかった俺は思わず声を出した。
「結美!!!」
「愛川さん!」
俺と蜜香は急いで彼女に近づく。
「カズ君!? やっぱりカズ君だ!」
彼女は痛む体を起こしながら俺と抱きしめ合った。
「良かった...。本当に生きてまたカズ君と出会えた」
「ああ...俺も嬉しいぞ...!」
俺と結美のやりとりを見ていた蜜香が少し照れていたが、今の俺たちには関係ない。
ただただ幼馴染が無事に目覚めた事が嬉しいだけなのだから...。
しかし、流石に1分も経つと俺も少し恥ずかしくなってきた。
「あの...愛川さん? 少し長い気が...」
「大丈夫。何にも長くないよ♡」
むしろぎゅっと握りしめてくるので俺から離れた。
すっと身を捻って優しく抜け出す。
いつも彼女に抱きつかれている俺だからこそできるテクニックだ。
「あっ! カズ君! 何で逃げるの!?」
「いや、ちょっと流石に長いわ」
俺はまだまだ甘えたそうにする彼女から離れて安全を確保するのだった。
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