第26話 格好いいテキスト

「あっ、高坂さんにこれを渡しておきますね」


 と言われてレイナに渡されのは【エルフの片手杖】だった。


「これは?」


「私のお古です。実は私...魔法使い見習いなんですよ。まあ師匠はいないので見習いにもなっていないので実質まだ村娘なんですけど日々の鍛錬は行なっていますから!」


 自慢げに杖の先から炎の塊を出現させる彼女は、本当に魔法使いなのだろう。


(まあ、エルフと言えばゲームだと魔力に恵まれていたり弓矢が得意だったりするからな。そのかわり耐久力が低くて後衛向きって印象はあるが...)


 ふとここで俺たちのメンツを見てみる。


 俺【弱体術師】後衛向き。


 蜜香【付与術師】恐らく中衛〜後衛向き。


 レイナ【魔法使い見習い?】後衛向きと、全員後衛向きなのは少しバランスが悪いな。


 リィカの負担が大きくなりそうだが、まあ後ろから援護してやればなんとかなるか。


 俺はレイナからもらった【エルフの片手杖】を装備した。


【エルフの片手杖】


 攻撃力+2


 攻撃魔力+100


 妨害魔力+50


『いずれ蒼き英雄と共に巨悪と対峙するエルフの少女の作った原初の片手杖。その才能は既に開花しつつある...』


「...んっ?」


 俺は彼女の杖のステータスにも驚いたのだが、それ以上にテキスト欄のカッコ良さに少し魅入ってしまうのだった。



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