第10話:絶望と新たな兆し
おはようございます。結局昨日は宿屋に引きこもってじっとしてたんだよ。
武器を受け取ったら、馬車で他の街に行こう。
いや、それともこのまま他の街に移動しちゃう?
ドズンさんには悪いけど、今は誰とも会いたくない気分なんだよ・・・
今回はのんびりと過ごす予定だったのに・・・
あんまり目立ちたくないんだよ。
なるべく、魔物は倒さないようにしたいんだけど、向こうから襲ってくるからね・・・
魔物を倒さずに逃げるか、魔物が逃げてくれる方法を考えないと。
今回だって、トラさんじゃなくてゴブリンとかなら目立たなかったんだよ。
ドラゴンの鱗とか普通には手に入らないからね・・・魔物除けには便利なんだけど。
だとすると、やっぱり仲間かな?
いや、そもそも森に入らない生活って言うのは?
その場合の収入源を考えないと。何かを作って売る?材料は買って仕入れる感じで。
何が作れるかな?
初級ポーションかな?でも錬金術のスキルは無いし・・・
鑑定が出来るから作れないことは無いはずだけど・・・
材料を買って仕入れたら完全に赤字なんだよ。
じゃあ、お菓子?
魔法で作れるか確認しないとね。普通に作るには厨房が必要なんだよ。
そもそも、『精霊の力に満ちた場所』を見つけないと魔法が使えないんじゃないかな?
たとえば私のアトリエがあった場所・・・今はどうなってるんだよ?
そう言えば確認してなかったね。
今どんな建物が建っているかは置いといて、祝福の泉があるかどうかだけでも確認しようかな?
まあ、ダンジョンが無かった段階で祝福の泉もない可能性が高いけどね。
他には精霊さんの力が満ちてるところって・・・
イオの街の伝説の水の小川は精霊さんの力じゃないけど、お薬の材料としては十分すぎるんだよ。
でも、行くのが大変だね。そもそもあるかどうかもわからないし・・・そもそも違う国なんだよ。
まずはこの街の祝福の泉の確認なんだけど、完全によそのおうちなんだよね?
どうする?裏庭を見せてくださいって頼めば見せてくれるかな?
とりあえず行ってみよう。場所はわかってるからね。
ぽてぽてぽてぽて・・・
ここの角を曲がれば・・・
鍛冶工房だね。私のアトリエも廃業した鍛冶工房を買ったんだし。
問題はこの敷地に祝福の泉があるかどうかだけど・・・
「嬢ちゃん、なんか用か?」
ここの工房の裏庭?それとも中庭かな?そこに泉はある?
「泉?無いぞ?井戸すらない」
工房で使うお水はどうしてるの?いっぱい使うよね?
「普通に水道だな」
そうか、そうなんだ・・・ここには泉は無いんだね・・・
「なんだ?泉を探してるのか?」
綺麗な泉を探してるんだよ・・・
「昔、うちの工房が立つ前は泉があったらしい。だがそれも枯れ果てて今はこの通りだ」
そうか、泉は昔はあったんだね?
「相当昔の話だ」
ありがとう。
とぼとぼとぼとぼ・・・
これは、もしかするとお薬を作るなっていう事なのかな?
前の世界で失敗したのも、すべてはお薬を作ったことに始まってるからね。
よし、すごいお薬は作るのをやめよう。
どうせ自分で使うなら普通の品質ので十分だからね。
よし、気持ちを切り替えて他のことを考えよう!
やっぱり、荷物持ちだよね?
この街では需要が無かったけど、ほかの街では需要があるかもしれないんだよ!
まずはそういう街を見つけよう!
そうと決まれば武器だ!
ドズンさんの工房に行ってみよう!
きょろきょろ・・・
ニニアさんが待ち伏せしてないよね?
見当たらないみたいだけど・・・隠れてるのかな?
「嬢ちゃん、そんなところで何してるんだ?例の武器は出来たぞ?」
どれどれ?
「コイツだ、多分持ち上がらないと思うぞ?」
本当にびくとも動かないんだよ!?
「鉛と鋼で作ってある。それ以外では普通の玉だな」
これはいいね。全部でいくつあるの?
「とりあえず30作った。ただ、値段がな・・・」
もしかしてお高い感じ?
「大負けに負けても1個銀貨2枚にはなっちまうんだが・・・」
それなら払えるんだよ!
銀貨をジャラジャラと取り出して支払う。
「それと、こんなのも試しに作ってみた」
これは?剣?
「必ず刃が下になって落ちる剣だ」
なるほど・・・これはいくら?そしていくつあるの?
「これは1個だけだ。そして金貨1枚になる」
明日までにいくつ用意出来る?
「これは3つが精いっぱいだ。玉なら50は作れるが、コイツは重さのバランス調整が必要だからな」
じゃあ、剣をあと9本と球を70個用意して欲しいんだよ。
「それだと全部で金貨30枚だぞ?」
問題ないんだよ。何日かかる?
「5日だ。他の注文も入ってるからな。これだけに時間は使えない・・・」
街を出るのが遅くなっちゃうけど、仕方が無いね。
代金は先払いで支払うんだよ!
さっきの玉の代金と合わせて金貨30枚分を支払う。
またしばらく宿に引きこもるかな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます