第11話:出発準備
おはようございます。ここ数日宿屋に引きこもってたんだよ・・・
さてと、今日は武器が完成する予定だし。
それを受け取ったら馬車に乗って移動なんだよ!
なるべくこっそりとね。
「おう、嬢ちゃん。出来てるぜ?」
いい感じだね。全部アイテムボックスに問題なく入ったね。
ちなみに取り出した後は重くて持ち上がらないんだよ。
「普通の鉄よりもだいぶ重くなってるからな!」
ありがとう!
これは強力な武器を手に入れたんだよ!
ある意味伝説の武器に匹敵するんじゃないかな?
でも、多分ダンジョンではそれほどの威力は発揮しないよね?
「いやいやいや、さすがに空から降らせるほどじゃなが、天井から落とすだけでも相当だぞ?」
それなら安心かな?
剣10本に玉100個。確かに受け取ったんだよ!
次は馬車かな?
噴水広場に馬車乗り場があるはずだよね?
馬車はいつごろ出るのかな?
「アラニス行きなら銀貨20枚だよ」
思ったよりもお高いね。まあ払える金額だけど・・・
「馬車が出るのは昼の鐘だよ」
まだ少し時間があるね。
露店で何か食べ物を買ってこよう。
串焼きと煮込みとパンを色々と・・・
鍋とか器とかも必要かな?
ちょっと買い物してくるんだよ!
「時間前には戻って来いよ?待たないからな!」
わかったんだよ!
まずは蓋つきの方手鍋かな?煮込みとかを入れられないからね。
それとそこからよそって私が食べるための器とか。
他にも食器とか。一通り買わないと。
他に旅に必要なのは?寝袋?テント?
あんまりのんびりはしてられないし・・・
食べ物も買わないと!
これくらいでいいかな?
馬車は?
「嬢ちゃん、そろそろ出発だ!」
ギリギリ間に合ったんだよ!
ごとごとごとごと・・・
馬車は揺れるから苦手なんだよ・・・
「ここで待ってれば現れると思ってたんだ・・・」
みぎゃぁぁぁ!!!
なんでニニアさんが馬車に!?
「馬車乗り場ではってたからだよ?」
なんのために?
「リーゼちゃんと仲直りしたかったからね。全然ギルドに来なかったし・・・」
武器が出来上がるまで宿屋に引きこもってたんだよ。
「ちなみにもう馬車は動いてるから暴れない方がいいよ?」
他のお客さんにも迷惑になっちゃうしね。
仕方がないんだよ・・・
「ごめんね、別に小さいからって特別扱いとかされたくなかったんだよね?」
そうなんだよ。私は冒険者なんだよ。お子様だけど冒険者なんだよ!
「そう、冒険者。でもね、低レベルで低ランクの駆け出しの冒険者でしょ?」
レベルは上がらないんだよ。ランクもね。それどころか身体も成長しないんだよ。
そういう呪いだからね。
「それって、本当のことなんだよね?にわかには信じられないけど・・・」
ちなみに、教皇様でもこの呪いを解くのは不可能なんだよ。
「なかなかに厳しい状況なのね。それじゃやっぱり一人だと大変じゃない?」
それはそうなんだけど、私ってレベルが上がらないから最初はいいけどそのうち足手まといにならないかな?
「そう思われるかもしれないってのは否定出来ないね」
でしょ?
だから仲間を募集するのはやめたんだよ。
「それで奴隷を買おうと思ってたの?」
仲間は無理でも裏切らない護衛が欲しかったんだよ。
前に護衛に裏切られて死にかけたからね・・・
「それ、本当の話なの?」
もちろんなんだよ!
「本当だとしたら大問題だよ?」
当たり前なんだよ!当然神様の罰が当たって呪いで勇者になったんだよ!
「ん?呪いで勇者に?ちょっと変じゃない?」
魔王を討伐するまで解けない呪いなんだけど、魔王なんて居ないんだよ。
「そう考えるとなかなかひどい呪いだね・・・でも、勇者が誕生したなんて話は聞いたことないよ?」
それはこの世界じゃないからなんだよ。
私が前に居た世界なんだよ。
「異世界からの転移者?」
ちょっと違うかな?
その世界でもニニアさんは居たんだよ。
「え?」
そして、最初にニニアさんが仲間になってから色々と大変なことになったんだよ。
「もしかして、それで私のことを避けてた?」
見た目は結構違うんだけどね。串焼きとエールが好きなポンコツエルフだったんだよ。
「それで野菜を食べる私を見て驚いてたの!?」
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