第51話:白、カモミール先生の魔法講座(初歩編)
「さてと、魔法の先生だっけ?」
若返ったカモミールさんは明るい元気なお姉さんって感じなんだよ。
「勇者様にお手本を見せればいいの?詳しい説明は必要ないのかしら?」
私のスキルはちょっと特殊なんだよ。
思った以上に今回は有能な感じの人材を発掘出来たんだよ。
「料理人は見つかりませんでしたね」
まあ、それは仕方が無いんだよ。
その分戦力はだいぶ上がったはずなんだよ!
「エベレストの伸びしろ次第ですね・・・」
まあね。でも、弱い方とは言え龍神王ではあるはずなんだよ。
「レビもですがベリーとククリもどこまで育つかですね」
そこら辺はまだ未確定だからね。
それよりも何といってもカモミールさんなんだよ。無限魔導師だから期待出来るんだよ!
「とはいえ、これで最低限の準備は出来そうですね」
ようやくなんだよ・・・
ただでさえ、スタートが遅れてるのに・・・
糸も作れるようになるはずだし、装備も整うはず。
「服職人はもともといましたからね」
チチカカとレビとエベレストに分散して乗ってもいいし、まとめて乗せる人が居ればそれでも問題ないんだよ。
「複数の移動手段があれば別々の場所に移動することも可能ですね」
そうだね。
今はまだ分散するほどの戦力じゃないけど、いずれ必要になるかもしれないんだよ。
「まずは当初の予定通り糸ですね」
ベリーがどうにかしてくれると信じてるんだよ!
でも、今のレベルじゃダメかもしれないんだよ・・・
「レベル上げを先にしますか?」
レベルを上げるための装備を作るのにレベルが足りないんだよ・・・
何を最初にすればいいんだよ?
「職人組のレベリングは必須です」
でも、どうやって?
「勇者様は魔法で敵を倒せるのですよね?」
まあね。
でも、現時点ではそれほど魔法は使えないんだよ。
「では、最初はカモミール様に魔法を教わるのはどうでしょう?」
なるほど。
「勇者様の使える魔法が増えれば、無双出来るのですよね?」
そうか。
まず私が強くなればいいんだよ!
レベルが上がらない人生が長かったから、自分を強くするっていう発想が無かったんだよ・・・
「リーゼちゃん・・・」
そんなわけで、カモミール先生に魔法を教えてもらうことにしたんだよ。
「勇者様はどんな魔法を使えるの?」
初級と言うか初歩の精霊魔法かな?ファイアアローとか。
「炎だけ?」
6属性使えるんだよ。あとはファイアボールも使えるかな?
そうそう、ファイアストームって言うのも使えるんだよ!
それと空間固定と空間転移くらいなんだよ。
「ずいぶん偏ってるのね・・・」
見たことある魔法は使えるんだよ。
「すると勇者様にドンドン魔法を見せればいい感じなのかしら?」
出来れば呪文の詠唱もしてもらうと雰囲気が伝わりやすいんだよ。
そんなわけでギルドの練習場にやってきました。
「アロー系は火以外も使えるのよね?」
出来るんだよ?
ファイアアロー
ウォーターアロー
ソイルアロー
ウインドアロー
ダークアロー
ライトアロー
全属性の矢を同時に出現させる。
「なんで全部同時に使えるの?」
普通はダメなの?
「各属性の精霊がケンカをして力を貸してくれなくなるのよ?」
そうなの?
「だって火に水を混ぜると消えちゃうでしょ?」
でも、みんなで仲良くお茶会とかしてたんだよ?
「お茶会?精霊様は目に見えないのよ?」
なんか話がかみ合わないんだよ?
まあ、精霊の力が溢れてる場所じゃないと精霊さんは実体化出来ないからね。
「まさか、精霊が実体化?それ本当なの?」
そう言えば、この世界ではまだ見てなかったんだよ?
精霊使役のスキルも無いからこの世界では無理なのかな?
「勇者様は異世界から来たの?」
うん、まあ、そんな感じなんだよ。
「でも、アロー系が全属性使えてファイアボールも使えるんでしょ?」
そこまでは使えるんだよ。
ファイアボール以外のボールは使えないんだよ。
「そもそもさっきのアローも無詠唱だったわよね?」
使えるようになった魔法なら発動コマンドだけで使えるんだよ。
「何とも無茶苦茶なのね・・・」
だから、ファイアボール以外のボール系の魔法も教えてもらえば使えると思うんだよ。
「じゃあ、とりあえず真似してみて」
そう言ってカモミールさんが呪文を唱える。
「水の精霊よ、我が敵に汝の力を見せつけよ!ウォーターボール!」
カモミールさんの目の前にこぶし大の水の玉が現れて的に向かって飛んで行った。
ばしゃん
さすがだね。的の真ん中に当たったんだよ。
じゃあ、私も真似してみようかな?
『ウォーターボール!』
ずばしゃ!めきめきめき・・・
一抱えほどの水の巨大な玉が出現し、的に向かって飛んでいき、的をへし折ったんだよ・・・
「何で呪文の詠唱をしないの?」
あんまり長いと覚えられないんだよ・・・
「最低限の2節の呪文よ!?」
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