第36話:黒、人員補充計画開始

指揮小隊とマカロンちゃん小隊は遠征。

グラニテちゃん小隊は拠点の警備。

クレープちゃん小隊は拠点で待機という名目の休暇。休むことも仕事だと思うこと!


そんなわけで、馬車に乗って隣街に移動よ!

箱馬車はシャノンが御者をお願い!

「わかりました」

幌馬車はマカロンちゃんが御者ね!

「了解!」


ゆっくりと馬車は進む。

何事も無く・・・

あれぇ?何も出てこないで着いちゃったね。

やっぱり盗賊は居ないのかな?


「ベイルの街へようこそ」

そんなわけで、それほど並ぶこともなく隣街に到着。

「とりあえずはギルドですか?」

この時間じゃ依頼書はろくなの残ってないと思うけど・・・

「じゃあ、宿を探してくるね!」

ニニア、お願い。


「いらっしゃいませ、冒険者ギルドへようこそ!」


期待出来ないけど、一応掲示板を確認。

「盗賊は無いね」

一応カウンターでも聞いてみよう。


「盗賊の討伐ですか?ありませんよ?」

なぜに?

「なんか盗賊を根こそぎ捕まえちゃった人が居るんですって」

なるほど、ここでもそうなのか。犯人は私だ。

次の街まで行かないとダメかな?

ここでの作業が一つ減った。


ニニアに案内されて宿へと向かう。

「では、1泊でよろしいですね?」

そうだね、奴隷商人の店を見たら奴隷商人の店を見たら次の街ね。

「仲間を増やすんですね?」

そうよ。そのうち農場とかも増やす予定だから人手は多いほど良いのよ。

「畑仕事もするんですね?」

鶏も飼うのよ。卵が欲しいから。

それと牛乳も欲しいわね。牛の飼育も検討しないと・・・

「やるべきことは山積みですね」

そうなのよ。でも時間は無限じゃないの。


「指揮官さん、奴隷商人のお店は無いみたいよ?」

そうなの?いよいよ用事がなくなったわね・・・

「この街もゾフトの街の奴隷商人の管轄みたい」

次からこの街はスルーでいいみたいね。

ありがとうアイリス、その情報が手に入っただけでも収穫よ。


-翌日-


「奴隷は交易都市の『ドーファン』まで行かないとダメみたいですね」

いくつ目の街?

「2つ先の街とのことでした」

じゃあ、そこまでは盗賊狩りをしつつノンストップね。

街に入るのはギルドの依頼の確認だけ。マカロンちゃんお願いね?

「盗賊や山賊だけの確認?」

依頼書にも無いようなチンピラまではかまってられないわ・・・


「襲ってくれると探す手間が省けるんですけどね・・・」

シャノンが割と物騒なことを言う。

「では、進軍しましょう!」

そう言って馬車が動き出す。


うーん、平和すぎる。

魔物の1匹も出てこない。街道を走ってるからなのかしら?

小さな村とかを回った方がいいのかしら?

もっとも、ゾフトの街にたどり着くまでは荒野だったし、あっちの方が魔物は多いのかしら?


「前方に馬車を発見!襲撃されている模様!」

さてさて、獲物は何かな?

荷馬車かな?乗合馬車かな?それともお貴族様かな?

「指揮官さん、まるでこっちが悪者みたいなセリフです・・・」

アイリス、結果的に我々に利益をもたらしてくれるんだからいいじゃない?


「荷馬車ですね、護衛の冒険者でしょうか?数の上では盗賊が優勢ですね、質は冒険者の方が上のようですが・・・」

じゃあ、護衛が盗賊を倒しちゃう前に到着しないと!


指揮小隊は馬車を!

マカロンちゃん小隊は全速突撃、盗賊を片っ端から捕縛!負傷者が居れば治療を!

「ポーションを使用してもかまいませんか?」

もちろん!けちるな!ドンドン使ってよし!

私は先行して戦場を凍結させる!


飛行魔法を応用して飛ぶのではなく高速で地面を走る。

戦場に到着すると同時に雷撃で盗賊の一人を気絶させる。

「助かった!盗賊に襲われている!」


広域鎮静魔法を使用する!『シエスタ!』

辺りにピンク色の霧が広がっていく。

まずは敵味方関係なくすべてを眠らせる。どれくらいが耐えるかな?


-なんだ?これは!?-

-抗えない眠気が・・・-

-スヤァ・・・-


ちょうどみんなを眠らせたところでマカロンちゃん小隊が合流する。

「各員、片っ端から捕縛!」

マカロンちゃんが指示を出し、みんなが転がっている盗賊をロープで縛っていく。

ケガ人が居たら治療!盗賊でも関係なくね!

さてと、被害者側の偉い人はどこかな?


「助かりました。護衛は雇っていたのですが、何分盗賊どもが多すぎました・・・」

現在こちらで確保したのが52人。確かに多すぎね馬車に乗らないじゃない・・・まあ、詰めればいいか。盗賊だし。

こちらの馬車が到着するまでに積み荷や人員の被害状況を確認。

「わが部隊は損害無し、冒険者も損害は軽微」

とりあえず治療するからケガした人はこっちに来て!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る