第35話:白、スタンピードを阻止する
しばらくすると、ミシェールが天使の姿で現れて、いつの間にかグレイスも隣に座ってたんだよ。
少し遅れて、ロロアがローズを蔦で縛ってチチカカに乗ってやってきて全員集合。
さて、作戦会議なんだよ。
原因は不明だけど、スタンピードが起ころうとしてるんだよ。
「それは確かに見過ごせませんね・・・」
大規模殲滅魔法とかでどうにかすることはできると思うんだけど、せっかくだしみんなのレベルもあげたいかな?
特にローズはレベルが低いからね。
それと、職人さんはレベルを上げると作るものの品質も上がるんだよ!
「そうなのですか?それは興味深いですね・・・」
まずはMPを回復できるお薬をローズに持たせて、ひたすら魔法を撃ってもらうんだよ!
別に魔物を倒せなくてもいいんだよ。とにかく出来るだけ多くの魔物を攻撃して欲しいんだよ!
「うまいこと空を飛べる人に上空まで連れて行ってもらえないかしら?」
真上から範囲攻撃?
「そうすればたくさんの魔物に当たるんじゃないかしら?」
とにかく攻撃を当てたら戻ってきてほしいんだよ。
戻ってきたら私とチチカカでとどめを刺すから。
「もしかしてブレス?」
ドラゴンの人だからブレスは使えるんだよね?
「まあね」
ここは岩山だから火事とかも気にしなくて大丈夫だと思うんだよ。
「近隣に村とかもなさそうだし・・・」
そうと決まれば行動開始なんだよ!
羽を広げたミシェールがローズを後ろから抱きしめる。
そのまま飛び上がって魔物の集団に向かって真上から魔法を撃ちまくる。
魔物の数は減らないけどそんなことは問題じゃない。
同様にロロアとミシェールの組み合わせでもう1回。
「じゃあ、ブレスいきますね?」
ドラゴンの姿になったチチカカが全体にまんべんなくブレスを吐きかける。
あれ?
結構倒しちゃったみたいだね・・・
私の出番はほとんどないかな?
まあ、とにかく残敵掃討なんだよ!
みんなで生き残りを討伐していく。
しばらくすると、魔物の反応が無くなったので終了。
「ところで、この素材とかはどうします?」
魔法やドラゴンブレスで攻撃したから、素材として使えそうな感じなのはほとんど無いんだよ。
どれもこれも損傷がひどいからね。
「このまま放置するとアンデッドが発生しますよね・・・」
まあ、素材は使えなさそうだし全部燃やしちゃおう!
「それにしても変ですね」
なにが?
「このスタンピードですよ」
ミシェールは何が気になるの?
「なぜこんなところにいきなり魔物が大量発生したのでしょう?」
もしかして、誰かがここに魔物を集めたってこと?
「この辺に未発見のダンジョンでもあるのかな?」
チチカカはそう言うけど、ダンジョンからは魔物は出られないと思うんだよ?
それに、ダンジョン産の魔物なら倒した後に死体が残らないんだよ!
「それもそうなのですが・・・」
ダンジョンの魔物は死んだらダンジョンに吸収されちゃうからね。
「ここがダンジョンの外だからでは?」
そうか、ダンジョンないじゃないからDPに還元されないでそのまま死体が残ったのかな?
でも、ダンジョンの魔物はダンジョン内の指定された階層から動けないんだよ?
「ずいぶん詳しいですね?」
まあね、前にダンジョンマスターをしてたことがあるからね。
「え?」
ダンジョンの魔物はDPを使って召喚するんだよ。
DPはダンジョンの中に人が滞在することで増えるんだけど、
未発見の誰も入ったことが無いダンジョンだとDPが増えないんだよ。
「リーゼちゃん、もしかして龍脈とかがあったんじゃない?」
確かにダンジョン内に龍脈があればDPはズンドコ増えるんだよ。
他にも定期的に何かがダンジョン内に入ってくるとか・・・
「中に入るのは人じゃなくてもいいの?」
生き物なら何でもいいんだよ。
そもそもどこまでが人かっていう判定は難しいんだよ。
「確かに、亜人や獣人までが人とは言い切れませんね・・・」
そう言ってロロアがチチカカの方に顔を向ける。
「確かに、この姿だと人として判定されるかもだけど、ドラゴンの姿だと魔物判定されるね・・・」
でしょ?
だから、そう言う区別にはあんまり意味が無いんだよ。
ダンジョンを住処にしている動物とか、そんなのがたくさん居ればDPは溜まるんだよ。
「ダンジョンの外で生まれた生き物がダンジョンに入ればいいのですね?」
ミシェールの言う通りなんだよ。
「まずはこの辺りを探索してダンジョンを探してみましょう」
とは言っても、ダンジョンからあふれたんならこの近くにあるはずなんだよ。
いかにもっぽい感じの洞窟なんかを探すけど見つからない。
「ダンジョンの入り口でしょ?祠とかは?」
そう言うのもあるかもしれないんだけど、もしかしてさっきの攻撃で壊れちゃったのかな?
今日のところはいったん帰る?
「しかし、討伐依頼はどうします?」
さっきの残骸から魔石を拾っといたからどうにかなると思うんだよ?
死体を燃やしても燃え残ったからね。
「では、帰りますか?」
おなかも減ったし、お風呂にも入りたいんだよ。
「宿にお風呂なんてあったっけ?」
別にたらいで水浴びでもいいんだよ・・・
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