第33話:白、スタンピードを発見
おはようございます。トヨノカ王都の宿屋です。
今日は私がグレイスを後ろから抱きしめる体勢なので、そのまま起き上がってペチンペチンなんだよ。
「おはよう、リーゼちゃん」
おはよう、グレイス。顔を洗って着替えて朝ご飯なんだよ。
みんなは起きてるかな?
食堂に行くとチチカカがご飯を食べていた。
「おはよう、みんなはまだ寝てるよ」
黒パンとスープの朝ご飯を食べたらギルドへ。
チチカカに伝言を頼んでおいた。
「いらっしゃいませ、冒険者ギルドへようこそ!」
朝早いのに、大盛況なんだよ!?
まだ今日の分の依頼書が掲示板に貼られていないのにみんなが待ってるんだよ・・・
-お、依頼書が貼られるぞ。急げ!-
-とにかく依頼をゲットするんだ!-
みんなが我先にと依頼書を奪っていくね。
どれどれ?
なんかほかの国への避難の護衛が人気なんだね?
「オレが先に目をつけてたのに!」
早い者勝ちなんだよ?と言いたいけど、この依頼所はあげるんだよ。
「そうか?悪いな・・・」
私たちは護衛希望じゃないからね。
「やはり討伐依頼が山のように余っていますね・・・」
いつもだったら討伐依頼は人気なのにね。やっぱり戦争のせいかな?
「どこへ逃げてもそれほど変わらないと思いますけどね?」
戦火はあちこちに広がってるからね。
「では、我が国としてはどうしますか?」
白ウサ王国としてってこと?
いずれ魔王との戦争になるのに、人間同士で争ってる場合じゃないんだよ?
「では、ストロベリー大陸を掌握しますか?」
それは最終手段なんだよ。
まずは当初の予定通りにダンジョンかな?
その前に、せめて王都周辺の魔物を少し減らしておこうか?
この段階で、国がなくなると困るからね。
「では、討伐依頼をどんどんこなしましょう!」
そう言ってグレイスが依頼書を適当にはがしていく。
依頼を選んでるとみんながやってきたね。
「遅れました・・・」
別にいいんだよ。
で、討伐依頼をたくさんこなすことにしようと思うんだけどいいかな?
「ダンジョン街に行くのではないのですか?」
ロロアが首をかしげている。
それはそうなんだけど、今この街と言うか、この国?が大変みたいだからね。
他の人たちはみんな護衛の依頼に殺到してるんだよ。
「戦争からの脱出だね?」
チチカカの言う通りなんだけど、逃げる場所なんて無いんだよ。
だから、せめて魔物の脅威だけでも少し抑えておこうと思うんだよ。
「スバラシイお考えです!」
ミシェールが目をキラキラさせながら私の手を掴んでるんだよ・・・
「私はどうすればいいの?」
そう言えばローズは戦う準備とかがまるで出来ていないね・・・
一応魔法は使えるんだよね?
「初歩の魔法なら多少はね?」
今はそれで十分なんだよ!
じゃあ、魔物の討伐の開始なんだよ!
「この依頼書の魔物を狩ればよいのですよね?」
違うんだよ?
基本、索敵に引っかかったやつ全部なんだよ?
脅威を減らすって言ったでしょ?
「確かに、おっしゃる通りです!」
そんなわけで各自は自由行動で魔物の殲滅なんだよ!
「え?」
ローズは私と一緒なんだよ。まだ一人じゃ無理だからね。
適当に魔物に攻撃を与えてくれればあとは私がどうにかするんだよ。
「それなら、大丈夫かしら?」
お薬もあるし、気楽にいってみるんだよ!緊張してる方がよっぽど危険なんだよ!
「リーゼ様、討伐した魔物はどうすればよいでしょうか?」
そうか、みんなは収納スキルとか無いのかな?
そうするとみんな一緒の方が効率がいいかな?
まずは東門から外に出て魔物を探しながら南門へ向かうんだよ!
「さすがに王都の近くは少ないですね・・・」
角ウサギやゴブリン程度がたまに出てくるだけ。
「さすがに少なすぎますね・・・」
もう少し索敵の範囲を広げた方が良いかな?
グレイス、広範囲の索敵でお願い。
「森にはあんまり居ないみたい。向こうの岩山かしら?」
じゃあ、チチカカが私を乗せてちょっと偵察なんだよ!
ドラゴンの姿になったチチカカの首元に跨る。
みんなは引き続き森の中をお願いなんだよ!
ドラゴンの姿を見て魔物が逃げても面倒だから認識疎外を使ってみました。
ミシェールに教えてもらったんだけど、これってちゃんと効いてるのかな?
「なんか魔物が集結しているね・・・」
確かに、本来岩山に居ないような魔物も集まってるんだよ?
「不自然な組み合わせだね。もしかしてスタンピード?」
魔物を誰かが操ってるのかな?
戦争の隙に王都を魔物の大群が攻める感じ?
「どうりで森に魔物が居ないわけだね・・・」
もしかして自然に発生したスタンピードかもしれないけど、どっちにしろ潰しておくんだよ!
チチカカみんなを連れてきて。
「りょーかい!」
私はこっちで準備をしておくんだよ!
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