第31話:白、広がる戦争
おはようございます。目が覚めたけど動けないんだよ・・・
グレイスにギュッと抱きしめられてるんだよ・・・
1人部屋に2人で泊まってるからね。当然ベッドも一つなんだよ・・・
そして、自分だけ起きてもグレイスが起きてくれないと何も出来ないんだよ!
グレイス起きて欲しいんだよ!
抱きしめられてるから、ペチンペチンも出来ないし・・・
「あぁーん、リーゼちゃぁーん・・・」
グレイス、起きてるよね?
離してくれないと今度から添い寝禁止なんだよ?
すぐさまグレイスの戒めが説かれる。
「おはよう、リーゼちゃん」
おはよう、グレイス。動けなくなるほど抱きしめるのはダメなんだよ。
今日はお姫様の護衛として王都に同行する。
馬車に乗るのは私たち白ウサ王国の5人とお姫様とシャーリー。
他の人はここの衛兵詰め所にある牢屋で預かってもらった。
そのうちに王都からお迎えが来る手はず。
お姫様と同じ馬車に乗せるわけにもいかず、かといって全員が罪人と決まったわけでもないんだよ・・・
さすがに早々何かが襲ってくることもなく、すんなりと王都に到着したんだよ。
もちろん、行列に並ぶこともなく、門を通過してそのままお城へ・・・
あれ?王都までの護衛じゃなかったっけ?
私たちはダンジョン街に行くんだよ?
「命を救っていただいたわけですし、ぜひともお礼をしたいのですが・・・」
うーん、王様に会う感じ?人脈を広げる意味でも王様と仲良くなっておくべき?
「では、こちらの部屋でお待ちください」
メイドさんに案内されて小さな待合室に。なんか様子が変じゃない?
「まあ、敵対国の冒険者ですし、疑われているのかもしれませんね・・・」
ロロア、どういうこと?
「スパイだと思われてるのかもってことです」
じゃあ、話がややこしくなる前に逃げる?
「逃げたら余計に疑われますね・・・」
それもそうだね。
「もしかしてこのお茶にも毒とか入ってたりして・・・」
まあ、私には効かないと思うけど、みんなはどうかな?
チチカカなんかドラゴンの人だし、大丈夫だと思うんだよ?
「え?さすがに毒とか効くよ?」
まあ、何かあってもお薬を飲めばたいていどうにかなるんだよ。
一応、みんなにも渡しておくね。
アイテムボックスからお薬の瓶を取り出してみんなに配る。
「準備が出来ました。こちらにおいでください」
再びメイドさんの案内で会議室なのかな?さっきよりは大きな部屋なんだよ。
その部屋で、なんかお貴族様っぽい人から銀貨の入った革袋が全員に配られたんだよ。
「それでは、お帰りはこちらになります」
再びメイドさんの案内で城門の外へ。
「銀貨100枚ですね・・・」
つまり金貨1枚分。思った以上にしょぼい金額なんだよ!?
「でもまあ、せっかく王都まで来たんですし、ここでも龍の鱗の加工が出来るかもしれませんね」
じゃあ、まずは何をするとしても宿屋さんかな?
それから加工が出来そうな人を探そう。
『鳥と根菜亭』
なんか変わった名前だけどここでいいかな?
「宿泊かい?一人銀貨6枚だよ」
6人部屋を一つをとりあえず1泊分だけ。
「どう思う?」
なにが?
「お城での出来事」
なんか変な感じだったね。王様もお姫様も出てこなかったし・・・
「多分大臣でもない役人かなんかだよね?」
チチカカもそう思う?
「やはり戦争のせいじゃないでしょうか?」
困ったもんなんだよ。
でも、なるようにしかならないんだよ。
「今晩は交代で寝ずの番とかしますか?」
そこまでする必要はないと思うけど、お薬はすぐに飲める場所に用意しておいてほしいんだよ。
まずは予定通りに冒険者ギルドと錬金ギルドかな?
「いらっしゃいませ、冒険者ギルドへようこそ!」
ギルドの中もなんかよそよそしいね・・・
-戦争が始まるらしいぞ?-
-トヨノカ王国とサチノカ王国だろ?-
-それだけじゃない!アマオウ帝国がトチオトメ皇国に宣戦布告したそうだぞ!?-
-どうする?フサノカ王国にでも逃げるか?-
なんか、ほかの国でも戦争が起きてるみたいだね?
どうしようか?なるべく現時点では戦争に参加はしたくないんだよ。
「その言い方だとまるで将来的には戦争に参加するみたいね?」
魔王と戦争するんだよ?私たちは勇者の軍勢になるって言ったはずなんだよ?
「そう言えば、そんな話でしたね・・・」
気にしても仕方がないし、掲示板の依頼書を確認してみるんだよ。
「戦争になるのであれば討伐依頼は積極的に受けた方が良いかもしれませんね?」
確かに。戦争なのに魔物まで襲ってくるとか住民はたまったもんじゃないよね・・・
「依頼書は護衛依頼がたくさんですよ?」
グレイスが掲示板の依頼書を確認している。
お貴族様がどこかに避難する依頼なのかな?
「うーん、商会のお偉いさんみたいですね・・・」
護衛はとりあえずやめておこう。この街ではまだやることがあるし。
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