第27話:白、お姫様を味方につける
「私はタルト・ヴィア・トヨノカ」
お貴族様かと思ったらお姫様だったんだよ!?
私は冒険者のリーゼロッテなんだよ。
お姫様、いったい何が起こったの?
さっき懲らしめた騎士は悪者であってる?
「彼は近衛騎士だったのに・・・そうだ!私の護衛は?」
護衛?誰のことかな?
とりあえず全員縛っておいたんだよ。誰が敵で味方かわからなかったからね。
一応、誰も死んで無いと思うんだよ?
「それを言われると何とも言えません。何しろ一番の味方だと思ってた近衛騎士に襲われたのですから・・・」
お姫様はどこから来てどこに向かう途中だったの?
「留学先のサチノカ王国から、この国の王都にある王宮に戻るところでした」
あれ?もしかしてここってトヨノカの国?(すっとぼけることにするんだよ)
「ええ、そうですが?」
向こうの森で魔物を狩ってたんだけど、いつの間にか国境を越えちゃってたんだよ・・・
怒られる前に戻るね?
「戻れませんよ・・・」
なんで?
「サチノカ王国とはこれから戦になりますので・・・」
じゃあ、どうすればいいのかな?
「とりあえずはこの国に留まっていただくしか・・・」
(うまくごまかせそうな予感なんだよ)
「それと、出来ればあなた方を護衛として雇いたいと思います」
もともとのお姫様の護衛は?
「ずっと一緒に居たので、信じたいのですが・・・」
ちなみにどの人?
「そこのメイドです」
グレイス・・・どう思う?(シャーリーだよね?)
「リーゼちゃん。この人は・・・(どう見てもシャーリーです)」
メイドのお姉さん、名前は?
「カステ『ストップなんだよ!』」
カステラちゃんは偽名だよね?そうじゃなくて本当の名前を教えて欲しいんだよ?
「・・・シャーリーです・・・」
お姫様もびっくりしてるね。
「カステラちゃんって本名じゃなかったの!?」
ちゃんが付いてる時点でおかしいと思うんだよ・・・
「ところで馬車はどうなったのでしょうか?」
ああ、しまったままだったね。
アイテムボックスから馬車を取り出す。
「収納魔法!?馬車を丸ごと!?」
そう言えばお馬さんが逃げちゃったね・・・
「問題ありません、確保しておきました」
お手柄なんだよロロア!
で、確実に味方なのはメイドさんだけ?
「近衛騎士は確実に黒だね」
私達が見た状況的にはね。
どうしようか?
お姫様とメイドさんは馬車に乗って、残りは歩きかな?
ちなみに、王都まではどれくらいかかかるの?
「馬車で5日程かかりますね」
一番近い街は?
「歩いても半日もかかりません」
じゃあ、とりあえずはそこまでかな?
「王都まで護衛してくださるのでは?」
私達は敵国の冒険者なんだよ?
「ですが、危ないところを助けていただきましたし・・・」
素性の分からない人を信用しちゃダメなんだよ?
「そうかも知れませんが、恩人であることは間違いありません。報奨もお渡ししたいですし・・・」
別にいらないんだよ。
「御者が居ません・・・」
あれ?縛った人の中に居ないの?
逃げちゃったのかな?
うーん、私には出来ないんだよ。誰か出来る人居る?
「では、私がやりましょう」
じゃあ、グレイスにお願いするんだよ。
私はグレイスの膝の上に座らされたんだよ・・・
ローズとチチカカがお姫様たちと客室で、ロロアは索敵。
ミシェールは縛られた人たちの見張りをお願いなんだよ。
「では、出発です!」
ゆっくりと馬車が走り出す。後ろにたくさん引き連れてるからね。
のんびりした速度で進むことしばし、壁が見えてきた。
そのうち門も見えてくるだろう。ところで、冒険者用の列に並べばいいの?
「並ぶ必要はないみたいよ?」
グレイスの言う通り、門衛の人が走ってやってきた。
お姫様が馬車の中から門衛さんに説明する。
そのまま門衛の詰め所に移動。
なんか色々と取り調べがあるみたいなんだよ・・・
密入国がバレると面倒なんだよ・・・
無事に街まで着いたし、それじゃあバイバイ?
「あの・・・やはり王都まで護衛していただく訳には・・・」
うーん、うっかり国境を越えちゃった不法入国者だからね。
なるべく目立ちたくないんだよ・・・
「それはこちらでどうにかしますので・・・」
正式に国境を越えた扱いにしてくれるってこと?
「ええ、まあ、そのように取り計います・・・」
よし、お姫様のお墨付きをもらったんだよ!
これで、不法入国の件は安心かな?
なんたって王家の後ろ盾が出来たんだし。
このまま色々と恩を売りまくるんだよ!
「ところで、この人たちはどうするんですか?」
縛られてる人達だね。
「一応、護送用の馬車を手配して王都に連行します。詳しい取調べはそれからですね」
とりあえず、私たちはギルドに行って宿屋かな?
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