第24話:黒、拠点のリフォームを相談
結局各パーティーごとに分かれて宿屋に泊まることに。
明日から本格的な稼働を開始する。
私は大工の親方や領主様との打ち合わせがある。
アイリスには制服の作成を進めてもらう。
マカロンちゃんのパーティーは冒険者ギルドの講習。
グラニテちゃんのパーティーは料理ギルドの講習。
クレープちゃんのパーティーは宿屋での修行。
ニニアはマカロンちゃんのパーティー、シャノンはグラニテちゃんのパーティー、キャンディはクレープちゃんのパーティーに臨時加入。
各パーティーは交代でやることを変える。
初心者講習は5日間なので、全員がすべての講習を終えるまでは15日かかる。
その間に住まいは完成しないし、制服も完成はしない、私もおそらく領主様についていかないといけない。
せめて領主様の出発が1月後とかなら一通りの準備が終わりそうなのだが・・・
正直な話この街の領主様の依頼になんて興味はない。しかし断るわけにもいかない。
そこら辺のお貴族様程度と仲良くなってもうまみが少ない。
国家の中心を担う人物との伝手が出来ればと言うところもあるけど・・・
ランクD程度の冒険者じゃ簡単には王族や教会の上層部には会うことすら出来ない。
まずは冒険者ランクを上げないと。そのためには何でもしよう。
そして、今はまだ寄せ集めだけど、育て上げて強力な軍勢を作り上げる。
最初は選り好みをしようかと思ったけど、そんな余裕は無い。
だったら、育てるしかない。少数精鋭とか言ってられない。
方針は決まった。お金を稼ぐ。奴隷を買う。そして育てる。
--翌日--
よし、今日は大工との打ち合わせ。
拠点の整備についてだ。今は私を入れて23人だけど、まだまだ増える予定。
今の建物を整備してどれくらいの人数を収容出来るか。あとは敷地内にどれくらい拡張出来るか・・・
とりあえずは冒険者ギルドね。
各パーティーのリーダーには今日の予定は伝えてあるし、大丈夫よね?
「いらっしゃいませ、冒険者ギルドへようこそ!」
依頼の掲示板は無視してカウンターに並ぶ。
「本日はどのような御用でしょうか?」
クラン『黒猫メイド騎士団』のリーゼロッテよ。クランハウス改修の件で大工の手配を頼んだんだけど?
「お待ちしてました」
相変わらず小部屋に案内されるのね・・・
部屋の中にはずんぐりとしたおっさんが居た。
おそらくドワーフなんだろう。大工の親方なのかな?
「なんでも街の外にある小屋の改修と聞いたんだが?」
ええ、まあ、その通りなのよ・・・
「しかも森の中だろ?魔物が出るじゃねーか」
それは我々が責任をもって排除するわ。
一応道もあるのよ。獣道よりましな程度のものが。
「資材の運搬はどうするんだ?」
必要な資材は我々が責任をもって運ぶわ。
「ともかく、現場を見ないと話しにならんな・・・」
じゃあ、早速行きましょう。
「午後は領主様との打ち合わせですが?」
それまでに戻って来るわ。昼の鐘までに戻れば大丈夫?
「そうですね。それでお願いします」
本当、忙しいったらありゃしない・・・
そういうわけで急ぐわよ?
暴れないでね?
「え?な、何を!?」
親方を抱きかかえてダッシュする。一瞬で門に到着。
門を通る手続きをして、街の外に出たら今度は親方を抱きかかえて空に浮かぶ。
「なんじゃぁぁぁぁ!?」
飛行魔法よ?だから暴れないでよ・・・落としちゃうでしょ?
これでも結構練習したから暴れなければ大丈夫よ?
ぎゅぃん
はい、到着。あっという間に着いた。
この方法の欠点は私以外には一人くらいしか運べないのよね・・・
「寿命が縮んだわい・・・」
でも、一瞬で着いたでしょ?
で、これが改修してほしい建物なんだけど・・・どれくらい使える?
素人の私の見立てでは取り壊して建て直しになると思うんだけど?
「まあ、おおよそ嬢ちゃんの言うとおりだな・・・こりゃ建物というか壁だな・・・」
あ、そっちのは私が魔法で無理やり作ったお風呂よ。
こっち、この建物。まあ、こっちも壁と天井って感じだけど・・・
「ボロイな・・・建ってるのが不思議なレベルだ」
建て直したほうがいいかしら?
「金があるならそうした方がいいだろう」
足りなければ稼ぐまでよ。どうにかするわ。
「ちなみにどんな感じに改修する予定だったんだ?」
そうね、寮とか宿屋とかそんな感じのイメージよ。
1パーティーが6人だから、6人部屋をたくさんと、私は個室で、食堂と厨房とお風呂場はみんなで使う感じ・・・
あとはトイレもそれなりの数が必要になるかしら?
「6人部屋はいくつ必要なんだ?」
すぐに必要なのは4つだけど、最終的に必要になるのはそれこそ20とか30とかじゃきかないわね・・・
「なるほどのう・・・貴族のお屋敷並みか・・・」
そうでもないわよ?
言ったでしょ?寮とか宿屋みたいな感じって。
そんなに豪華なつくりにする必要はないの。
6人部屋とは言ったけど、3段ベッドが2つあればいいの。
「おいおい、奴隷部屋じゃあるまいに・・・」
奴隷よ?この家に住むのは私以外はほぼ奴隷よ?
「マジかよ・・・」
ちなみに私の個室は2段ベッドが一つあればいいわ。上の段に寝て、下の段は机とクローゼットに使えるようにしてほしい。
「嬢ちゃんの部屋が一番狭いのかよ?クランのリーダーだろ?」
部屋が広いと落ち着かないのよ。それに個人の部屋なんて無駄だし。
くつろぐならお風呂に浸かったり、リビングでお茶でも飲んでのんびりした方がいいじゃない?
「うーん?言わんとしていることは分からんでもないが・・・」
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