第21話:白、色々と予定通りにはいかない
馬車に揺られること3日目。そこそこの大きさの街に到着。
ここで馬車を乗り換える。その手配はミシェールがやってくれている。
「この街から隣国へ向かう馬車に乗り換えます」
国境は越えられるの?なんか許可証とか必要じゃない?
「勇者なら関係ないのでは?」
まだ勇者じゃないんだよ!
あくまでも最終的には勇者になるけど、今はまだただの冒険者なんだよ!
「そういうことですか・・・」
だとすると、どうすればいい?
「ダンジョン街のあるトヨノカ王国に行くための許可証が必要ですね」
ミシェールに手続きは任せるんだよ。
その間に宿を手配しよう。しばらくはこの街に居る感じになるんでしょ?
「すぐに許可はもらえると思います」
それでも、馬車が出るまではこの街に滞在するよね?
「そうですね・・・まずは馬車がいつかを確認しましょう」
3日後かもしれないからね。
「今日の朝の鐘に出たばかりですね。次は2日後の朝です」
やっぱり。これで最低2泊は確定なんだよ。
じゃあ、早速宿の手配なんだよ、グレイス!
「もちろんぬかりありません。2人部屋と4人部屋を確保しました!」
速すぎなんだよ!?
「じゃあ、一旦部屋に荷物を・・・置く必要がないのですね・・・」
荷物は全部持ち歩いてるんだよ。
「そう言えば、私も冒険者登録をしないとダメなんじゃない?」
そう言えばローズさんは冒険者じゃなかったね。
ここのギルドで登録すればいいのかな?
「いらっしゃいませ、冒険者ギルドへようこそ!」
さてと、新規登録の受付はこっちかな?
「登録ですね、この用紙に記入してください」
ローズさんが受け取った用紙にすらすらと記入していく。
「じゃあ、石板に手を乗せてください」
名前:ローズ
年齢:21
性別:女
種族:人間
職業:魔導裁縫師
ランク:G
レベル:1
HP:50
MP:100
ちから:5
すばやさ:5
かしこさ:30
きようさ:30
経験値:0
次のレベルまで: 3
状態
スキル
精霊魔法:1
神聖魔法:1
暗黒魔法:1
裁縫:4
空間把握:2
立体造形:3
レアスキル
古代語魔法:1
魔力付与:2
魔法陣:2
ユニークスキル
その他
「珍しい職業ですね・・・」
うん、十分すぎるくらいにはすごいね。
もしかして、ローズさんが魔法の先生でもよかったのかな?
「本職の魔法使いじゃないから、必要最低限しか使えないわよ?」
それじゃあ、ローズさんも私のパーティーに追加してほしいんだよ。
「白ウサ王国に追加ですね・・・完了しました」
よし、これで大丈夫かな?
ところでミシェールはトヨノカ王国に行く手続き出来たかな?
ちょうどミシェールがこっちにとぼとぼと歩いてきたんだけど・・・
なんとなくダメだったみたいなんだよ?
「申し訳ありません・・・ダメでした」
え?なんで?
「どうも、ここサチノカ王国とトヨノカ王国の情勢が悪化したらしく国境が封鎖されました」
国境ってそんな突然封鎖されるものなの?
ダンジョンの街があるのはトヨノカ王国なんだよね?
じゃあ、他のダンジョンを目指す?
「そもそも、ダンジョン自体には用事は無いのですよね?」
まあね。丈夫な布が欲しいだけだし。布さえあれば服はローズさんが作れるみたいだしね。
「ドラゴンの素材を加工するのよね?」
やり方はおぼろげには知ってるんだよ。
「え?」
前に作ってるところを見たことがあるってだけなんだよ。
私自身では作れないんじゃないかな?
それに、見ただけで作れるくらいならだれも苦労はしないんだよ。
「でも、それが出来そうな人に説明して再現してもらうってのもありじゃない?」
おそらく高位の錬金術師とかなら出来るんじゃないかな?
「すると魔法学院に戻ればひょっとすると・・・」
ミシェールは誰か心当たりがあるの?
「いえ、特定の誰かというわけではありません。錬金術科もありましたので・・・」
ああ、そこの先生か生徒で出来る人が居るかもってこと?
「その通りです。やみくもに探すよりはましかと思います」
そうだね。
最終的にはダンジョンにも行くけど、今はまだ準備段階だからね。
人材も装備もまだまだ足りないんだよ。
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