第17話:白、装備について考える
「ところでリーゼ様は宿屋暮らしなのですか?」
そうなんだよ・・・
これからもっと人数は増やす予定だから、出来れば拠点が欲しいところなんだよ。
「拠点と言うと、どこかにお屋敷でも?」
お屋敷も悪くないんだけど、人数が増えると増築とかが必要になるんだよ。
何かいい方法はないかな?
「いっそのこと、村でも作ってしまうのはどうでしょうか?」
むら?
「人数が増えるごとに村の規模を大きくしていって街になったり・・・」
それも面白そうなんだよ!
よし、チチカカの案を採用するんだよ!
「そうすると場所はどうしましょうか?」
ところで、勝手に村とか作っていいの?
「通常はもちろんダメなんですけど、裏技があります」
うらわざ?
「ギルドでもたまにあるのですが、開拓の依頼を受けるんですよ!」
ミシェール、詳しく。
「森なんかを切り拓いて新しい村を作るっていう依頼ですね」
結構大変そうだね・・・
「で、そう言う依頼でリーダーになるとそのまま村長になることも出来るんですよ!」
なるほど。
でも、そんな依頼って見たことないんだよ?
「依頼が無ければ無理よね」
グレイスの言う通りなんだよ。
「貴族と仲良くなるんですよ」
うーん、お貴族様とはあまりかかわりたくないけど・・・
「では、この辺で未開拓の土地を持っている貴族と知り合うというのと、もしくは開拓の依頼を見つけるってのが当面の目標?」
ロロアは一つ忘れてるんだよ。
「何か抜けてたかしら?」
メンバーの募集も続けるんだよ!
まずは私たちがそれなりの実力が無いと開拓の依頼を受けられないかもしれないし、受けられてもリーダーになれないんだよ!
「そのためにはレベル上げやランクアップも必要ね」
その辺はあんまり気にしてないんだよ。
レベルなんて上げようと思えばどうにかなるもんなんだよ?
ランクだって、レベルさえ上がっちゃえばどうとでもなるんだよ!
そのためにも仲間は必要なんだよ!
ここでいう仲間ってのは一緒に冒険する人っていう意味だけじゃないんだよ。
「それはどういうことなの?」
例えば、武器を作る人。防具を作る人。拠点の管理をする人。色々なんだよ!
それなりの準備が整えばダンジョンに籠ってレベルを上げればいいんだよ。
そんなわけで、とにかく必要な人材を片っ端から陣営に組み込むんだよ!
となると、まずは装備関連だね。チチカカが居てくれたから少しはどうにかなるかな?
「えーとそれはもしかして・・・」
古龍の鱗をゲットなんだよ!
「やっぱり私を素材として見てましたね!?」
なにも別に無理やり引っぺがしたりしないんだよ?
自然に抜けたり、はがれたりしたのをもらえればそれでいいんだよ。
「まあ、そう言う事なら・・・」
ところでチチカカの鱗って鋼よりも硬い?
「まあ、鋼の剣程度なら防げるとは思いますけど?」
現時点ではそれで十分かな?
とりあえずドラゴンの姿になって軽く身体を動かしたりしてみて?
「こんなところでやったら騒ぎになりますよ!?」
じゃあ、どこか森の奥とか?
ミシェールも翼を出して羽をばさーっとしてみてほしいんだよ。
「まさかの私も素材枠ですか!?」
天使の羽も何かに使えそうな気がするんだよ!
よし、糸や布を作れる人を探そう!
「紡績関係だとクラボーの街かしら?」
それもいいけど、まずはこの街で探してみよう!
商業ギルドとかで聞けばいいのかな?
で、商業ギルドってどこ?
ミシェールに案内されて商業ギルドにやってきた。
建物自体は冒険者ギルドと同じつくりだね。大きさは倍くらい大きいけど・・・
「糸や布を作る職人ですか?」
出来ればそのまま服も作ってくれれば一番いいんだけど、贅沢は言わないんだよ。
「この街にはほとんどいませんね。クラボーの街に行くことをお勧めします」
やっぱり?
でもこの街にほとんど居ないってことは少しは居るんでしょ?
「まあ、一人居るには居るのですが・・・」
その人を紹介して欲しいんだよ!
商業ギルドの受付で教えてもらったローズさんのお店にやってきました。
お店?全然品物が展示してないんだよ?
「いらっしゃい、うちはオーダーメイドだけなの」
なるほど。
龍鱗の糸は作れる?
「龍鱗?ドラゴンの鱗で糸を作るの?」
その通りなんだけど、ダメ?
「糸は作ってないのよ。糸から布地や布から服を作るのが仕事なの」
なるほど。
じゃあ、縫い目がない服とか出来る?
「縫い目がない服?そんなもの作れる人は魔導裁縫師くらいよ?そう、私のようなね!」
これは確実に確保なんだよ!
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