第13話:白、メンバーを募集

おはようございます。グレイスをペチンペチンしながら考え事なんだよ・・・

「痛いっ!リーゼちゃん、痛いからやめて!」

ああ、そうか。ステータスが高いから普通に痛いんだね?


さてと、パーティーを組んでもいいし、人を雇って先生になってもらってもいいし・・・

とにかく、魔法の使い方を教わろう。

今までは精霊さんにお願いするか、愚者の杖なんかに適当にお願いすれば魔法っぽくなってたからね。

「呪文の詠唱とか要りませんでしたもんね」

でも、今回は違うんだよ!

一番初歩のフレアアローとかは無詠唱でもなんか出たけど・・・

そもそも魔法の種類を全然知らないんだよ!

「精霊使役が無いのは痛いですね」

前はなんでもお願いするだけで、いい感じにやってくれてたからね・・・

ちゃんとした呪文の詠唱なんてしたことも無いんだよ・・・


「ちなみに何か知ってる呪文はあるの?」

ファイアボールは教えてもらったんだよ!

あとはマジックアローくらいかな?

「やはり誰か先生が必要ね!」

普通に考えれば学校?もしくは弟子入り?

「学校は効率が悪いと思うわ」

まあね、みんなと一緒だしね。

だとすると、弟子入り?

「それならパーティーメンバーを募集して魔法使いを仲間に入れます?」

それが無難かな?

「早速ギルドで募集しましょう!」

グレイスは、そう言ってギルドに走っていった。


「いらっしゃいませ、冒険者ギルドへようこそ!」


私がギルドに着いた時にはすでにグレイスはカウンターで書類に記入してるんところだったんだよ・・・

「人数は数名、職種は魔法使い系なら何でも、ただし女性限定。こんな感じでお願い」

まあ、そんなすぐには人は集まらないと思うんだよ。

「えーと、現在パーティーの加入待ちの冒険者がこれだけ居るから・・・」

あれ?

もしかしてすぐに人が集まっちゃう感じ?

「あなたたちの構成が『導く者』と『見守る者』ってどんな職業なの!?」

よくわからない上位職だと思うんだよ。

私の『導く者』は魔法使い系で、グレイスの『見守る者』はアサシン系なんだよ。

「アサシンに見守られるのってなんか怖いわね・・・」

あくまでもスキル構成の話なんだよ。

「ああ、そういう事ね。でも、この構成なら必要なのは盾役とかじゃないの?」

それは別にどうとでもなるんだよ。ステータスのごり押しで。


「これなんかどうかしら?魔法学院の生徒3人組よ?」

魔法学院の生徒?冒険者ではなく?

「もちろん冒険者登録はしてあるわよ。ただ、魔法使い3人なのよ・・・」

ああ、なんとなくわかったんだよ。

でも、その人たちは前衛が欲しいんじゃないの?

「それこそ、ステータスでごり押しできるんでしょ?」

まあ、それもそうなんだよ。


そんなわけで、メンバー候補の3人をギルドの小部屋に呼んで面接なんだよ!

「ロロアよ、精霊魔法が得意ね」

魔法でごまかそうとしてるのかな?

でも、私の目には普通にエルフに見えるんだよ。


「私はチチカカ。古代語と暗黒魔法が少し使える」

この人はドラゴンなんだよ。

龍語魔法も使えるんじゃないかな?


「ミシェール・・・神聖魔法」

うわぁ、天使。それも大天使だよね?

なんでこんなところに居るんだよ?


予想外なことにみんな普通の人間じゃなかったんだよ!?

よし、グレイス・・・3人とも確保なんだよ。逃がしちゃダメなんだよ!

「じゃあ、皆さんこれからもっと深いところの話をしましょうね?」


まず最初にあなたたちの目的は?

「魔法使い3人なのでどうしても魔物との戦闘が・・・」

問題ないよね?そこそこの強さの魔物なら楽勝なんじゃないかな?


ロロアさんはエルフだよね?名前からするとバイアリータークの氏族の。

「え?」

驚いたのはチチカカさんだけ。ミシェールさんは知ってたのかな?

「表向きには内緒にしておいてほしいのですが・・・」

まあ、別に言いふらしたりはしないんだよ。

私だって表向きは種族不明だしね。


で、チチカカさんは古龍だよね?

「「ええ!?」」

今度は2人とも驚いたね。

みんなそれぞれ素性を隠してたのかな?


「人間にしか見えないはずなんですが・・・」

私の目にはごまかしは効かないんだよ。

ドラゴンの人が何で学生をしてるの?


それと!

ミシェールさんは大天使なんじゃないかな?しかもかなり上位の。

「「「え・・・」」」

なんでみんなびっくりしてるの?

そもそもミシェールさんは自分のことを知らなかったとか?


別にそう身構えることは無いんだよ。

私は魔法の先生が欲しかっただけだから。

「魔法の先生?それならそれこそ学園に入学するべきでは?」

ロロアさんの言うことはもっともなんだけど・・・

それだと時間がかかりすぎるんだよ。相手は待ってくれないからね・・・

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