第11話:白、鑑定を求めて

おはようございます。相変わらずベッドにもぐりこんでいるグレイスをペチンペチンなんだよ!

「スヤァ」

絶対に嘘寝なんだよ。

仕方がないからペチンペチンし続けるけど・・・


ぺちんぺちんぺちんぺちん・・・


さすがにちょっと手が痛くなってきたね。

嘘寝グレイスはほっといて着替えて朝ごはんなんだよ!

「待って!起きた。起きたから!」


本日の朝ご飯は串焼きと堅パンです。

スープがないと堅パンはちょっと厳しいんだよ・・・

「で、今日は何をやります?」

お薬を作ってもいいんだけど、私もグレイスも鑑定がないんだよね。

一応、アイテムボックスに入れれば鑑定は出来るんだけど、

お薬を作ってる最中に鑑定をすることは出来ないんだよ。

「では、当面の間は鑑定をどうにかする感じですか?」

逆に言えば、鑑定さえ手に入ればお薬無双開始なんだよ!

「リーゼちゃんのお薬で世界を取れるのはすでに証明済みですし」

今回の世界は好き放題やっても大丈夫なはずだしね。

「神様が調整して作った世界ですからね」

なんせ私の呪いがなくてレベルが上がるんだよ!


「アイテムボックスで鑑定を続けるとスキルを覚えたんですよね?」

そうなんだよ!

「じゃあ、とりあえず薬草採取ですね?」

近くの森で採取なんだよ!


「薬草の見た目が違うのにも慣れてきましたね!」

最初は薬草が見つからなくて苦労したけどね。

もはやいくらでも薬草なんて手に入るんだよ!


鑑定のために毎回採取したものをアイテムボックスに入れている。

今回も薬草のはず、もはや見間違えなんてないんだよ!


名前:大薬草

品質:普通品質

説明:やーい、間違えたー


何なんだよ!この説明は!人を小ばかにするにもほどがあるんだよ!!!

「アイテムボックスに入れるまでは名前がわからないですからね、仕方ないですよ」

とにかく今は我慢の期間なんだよ。修行中だからね!


「あら?リーゼちゃん!名前が見えました!」

え?

まさかのグレイスの方が先に鑑定スキルに目覚めた?

「まだ名前だけですね。手に取る前に名前がわかりますよ!」

グレイスの採取するペースが上がったんだよ・・・


「ここら辺はだいぶ少なくなってきましたし、場所を移動しましょう!」

とりすぎるとなくなっちゃうからね。

もうちょっと奥に行こうか、初心者が行かなそうな方に。

「奥地の方は魔物が多いらしいですしね」

まあ、装備はしょぼいけど、不意打ちを食らってもさすがに即死はないと思うんだよ?


「さっぱり薬草が見つかりませんね・・・」

ちょっと奥まで来すぎたかな?


グレイスが見た感じ何かめぼしいものはあった?

「名前しかわかりませんしね、適当に採取してはリーゼちゃんに渡してますけど・・・」

私は一向に鑑定スキルを覚えないんだよ・・・


ガサッ!


ああ、そうか。魔物が出ても背中がぞわぞわしないんだね?

「リーゼちゃんが結構強いですからね」

で、こいつは何かな?


名前:満月熊

品質:C

説明:あまりおいしくない


おや?

魔物の説明が見えたんだよ?

ランクCの満月熊でおいしくないって。

「魔物鑑定に目覚めてたんですね・・・」

しかも品質も説明も出るんだよ!


さて、せっかくだから色々実験なんだよ!

「思いっきりやったら一撃ですしね」


空間魔法、空間固定右足!

「またそんな適当な詠唱で・・・」

くまさんの右足が固定されたね。

突然片足が動かなくなってくまさんが慌ててるんだよ。


さて、熊さん私と勝負なんだよ!

ところで、なんで魔物鑑定なのに弱点とか表示されないんだよ?

「スキルレベルが低いんじゃないかしら?」

じゃあ、色々な属性の魔法を当てて弱点を探ってみるんだよ!


・ファイアアロー

音:ぼふん

効果:いまいち


・ウォーターアロー

音:びしゃぁ

効果:いまいち


・ウィンドアロー

音:ざしゅぅ

効果:まあまあ


・ソイルアロー

音:ぼす

効果:いまいち


・ライトアロー

音:ぱぁぁ

効果:いまいち


・ダークアロー

音:ぞん

効果:すげぇ


闇の精霊魔法が結構効くね。次が風かな?それ以外はほとんど同じと。

「精霊魔法以外はどうします?」

今のところはいいかな?知らない魔法が多すぎなんだよ。

精霊魔法だって超初級のしかわからないからね。

空間魔法で敵の動きを止められるのと超初級の精霊魔法だけでどうにでもなりそうだし。

「徐々に慣らしていく感じですか?」

ポカポカでサラサラの魔法も再現出来たしね。しばらく困ることは無いんだよ!

どっちにしてもどこかで誰かに魔法について教えてもらいたいんだよ・・・

「魔法使い系の冒険者とパーティーでも組みますか?」

そうだね、仲間も増やさないといけないし。

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