第10話:黒、装備を調達

おはようございます。ヤドリギ亭の天井が見えます。

久しぶりに宿屋のベッドで寝たわね・・・

ペチンペチンする相手も居ないし、さっさと起きて朝ご飯を食べましょう。


朝は堅パンと塩スープ。

食事を終えたらさっさとギルドに向かう。

現時点では宿屋の方には連絡が来ていない。

もしかするとギルドには連絡が言ってるかもしれない。

でなくても、何らかの依頼をこなして小銭を稼ぐとしましょう。


「いらっしゃいませ、冒険者ギルドへようこそ!」


さてと、まずは確認を。

「リーゼロッテさん、盗賊の討伐報酬があります」

おや?

それなら依頼は探さなくてもいいかな?

「盗賊5名の生け捕り及び犯罪奴隷としての売却代金です」

結構多いね。

「内訳としては盗賊5名の討伐がそれぞれ金貨5枚で、そのうち1名は重指名手配だったので追加で金貨10枚」

金貨35枚!?

「それと犯罪奴隷としての買取価格が1人金貨15枚です」

全部で110枚?

「さらに、ギルドで討伐依頼が出ていたのでその分が金貨20枚です」

ギルドカードを渡す。

「はい、貢献値も登録しました」

想像以上の金額。

これはしばらくは仕事をしなくてもよさそうね・・・


早速、昨日の装備を購入してこよう!

いや、その前に借金の返済ね。門衛詰め所に!

「おお、金を返しに来てくれたのか?」

まあね、借金を返済せずに借金奴隷になるのなんて勘弁だわ。

これでよし!


次は装備!

昨日の『トマス防具店』に向かう。

「よお、嬢ちゃん。昨日の装備か?」

支払いに来たわ。

「ってことは報酬を受け取ったんだな?」

思ったよりもたくさん手に入った。

「だったらもっといい装備にするか?」

いや、別に昨日見せてもらったのでいいよ。

そもそも、見た目が気に入ったからね。今着てるのがぼろくなったから買い替えるんだし。

「でもよ、冒険者なんだろ?いい装備を求めるんじゃないのか?」

ああ、それもそうだけど。

別に攻撃が当たらなければどんな装備でもいいわけじゃない?

だったら、見た目が重要ってことよ。

「そんな簡単な話じゃないと思うが・・・本人がそれでいいならいいか・・・」

そんなわけで、これ代金ね。


おお!やっぱりこの服結構いい感じ!

とはいっても、これ一着だけというのも心もとないし・・・

これと同じようなデザインのをもう2~3着・・・

「お?そうか?だったら・・・こんなのはどうだ?」

トマスさんが色々と進めてくれて、結局3着買った。

最初のアサシン風と、軽装剣士風と・・・スカウト風?


「ところで、武器は使わないのか?」

これよ。

「なんだこりゃ?刀っていうのか?」

まあ、見た目はね。

でもそれは魔法の杖でもあるんだよ。

「あんた魔法使いだったのか!?」

まあ、魔法を使うけど、この刀を武器としても使うよ?

「それで軽装剣士?」

まあ、そんなところ。


「魔法の杖ねぇ・・・だったら魔法使い風の服もあった方がいいんじゃないか?」

見た目で職業をわからせたくないからね。

「そういうもんなのか?」

だって、剣士だと思って魔法が来れば避けられないかもしれないじゃない?

「急にしょぼい理由になった・・・」

そう?

結構重要だと思うんだけど?

自分の手の内を相手に悟らせないっていうのは戦いを有利にするんだよ!

「魔物はそんなこと考えないと思うぜ?」

魔物はね。でも、敵は魔物だけじゃないし。

「盗賊狩りでもするのか?この支払も盗賊の報奨金って言ってたな・・・」

そんなもんかな?


宿に戻って、アサシン風の服に着替える。

さて、当面の生活費は困らなそうだし、次は仲間でもそろえるかな?

手っ取り早く軍勢を集める方法なんて思いつかないし。

まずは冒険者として成り上がる?

なんか手ごろな事件とか起きないかな?


でも、雑魚をいっぱい揃えても意味ないし・・・

私よりも強い人や魔物もなかなか居ないだろうし・・・

やっぱりドラゴン?もちろんオオトカゲじゃなくて龍の方なんだよ!


それと偉い人と仲良くならないとね。教会とか王様とか・・・

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