第4話:黒、登録

あーあ、ようやく街が見えてきたね。

やっぱり魔法で空を飛ぶのは難しいね。

まだまだ慣れが必要だと思うんだよ・・・

なんせ普通に歩いたほうが速いし楽だったからね。


もっとも、今は気絶した盗賊を担いでるから飛べないけど・・・

それにしても、街から半日ほどの場所で襲ってくるとは、盗賊ってバカなのかな?

バカだから盗賊なんてやってるのかな?

5人程度で襲ってきても私に触れることすら出来なかったんだけど?

やっぱり『歓喜の歌』はすごいね。非殺傷で取り押さえるのが楽ちんだったよ。


よ、ようやく街の門についたね。

とりあえず、こいつを門衛に引き渡せばどうにかなるよね?


「おい、その担いでる奴はどうした?」

私を襲ってきた盗賊だよ、ここから半日ほどのところに残り4人も木に縛って放置してあるから。

「ちょっと待て、盗賊だと!?」

門衛が詰所に入って数人を連れて戻ってきた。手には手配書らしきものを持ってる。

「こいつか・・・手配書の顔とそっくりだ。で、あと4人いるのか?」

そう、さすがに一人しか担げなかったからね。

まだ死んでないと思うけど、生きたまま捕縛したかったら急いだ方が良いと思う。

「わかった、護送用の馬車を用意しろ!」

偉そうな人が部下っぽい人に命令する。


「それで、詳しい話を聞きたいのだが・・・」

別にいいけど、私は街に入れないよ?お金ないし。

「それなら問題ない。さっきの盗賊は賞金首だ。報奨金が出る」

街の入場料とギルドの登録料くらいにはなるかな?

「いやいやいや、そんなしょぼい金額じゃないぞ!?」

よし、当面の生活費は確保出来そう。ありがとう盗賊の人。


「ただし、確認やその他の処理にしばらく時間がかかる。それまではどうする?」

だから、お金がないから・・・野宿かしら?

「おいおい、女の子を放り出すようなことは出来ん・・・」

じゃあ、ここの軒先を貸してくれればいいわ。

報酬の準備が出来たら起こして。それまで寝てるから。

「だからこんなところで寝るなって!」

うるさいなぁ、じゃあ橋の下ならいいの?

「どうしてそうなる?」

お金がないのよ。完全に無一文なの。

宿に泊まるお金も食堂でご飯を食べるお金もね。

「今までどうやって生きてきたんだ?」

森の中でサバイバル的な?

「マジかよ・・・」

最低限の生活位ならどうにかなるのよ?


「仕方がない、金は貸してやる。宿に泊まって普通に飯を食え」

そう言ってお金を渡してきた。

「さっきの賞金首は最低でも金貨1枚以上にはなる。それで返してくれれば問題ない」

まあ、そう言うことならありがたく借りておくわ。


とりあえずギルドに登録でもしておこうかしら?


「いらっしゃいませ、冒険者ギルドへようこそ!」


ここも、同じ。

右側が掲示板。依頼書が貼ってある。

そして左側は売店。そして中央が受け付けのカウンター。

新規登録の申し込みはこの用紙でいいのかな?

「新規登録ですか?」

そうよ。記入はこれでいいかしら?


名前:リーゼロッテ

年齢:13

性別:女


「次は、この石板に手を乗せて」


名前:リーゼロッテ

年齢:13

性別:女

種族:不明(当ギルドに該当無し)

職業:貫く者

レベル:1

HP:1000

MP:1000

ちから:1000

すばやさ:1000

かしこさ:1000

きようさ:1000

経験値:0

次のレベルまで: 2


状態

祝福:土の大精霊

祝福:水の大精霊

祝福:火の大精霊

祝福:風の大精霊

祝福:光の大精霊

祝福:闇の大精霊


スキル

精霊魔法:1

神聖魔法:1

暗黒魔法:1

剣術:1

刀術:1


レアスキル

鑑定解析:1

精霊同調:1

精霊使役:1

アイテムボックス

システムコール:1

魔剣装備

神剣装備

妖刀装備

神刀装備


ユニークスキル

封神刀装備


その他

無し


『歓喜の歌』を手に入れたのが反映されてるのかな?

人間の限界を軽く超えてるね。呪いが解ければこんなものなんだよ!

「あら?これは!?ちょっとこっちの部屋に来てもらえるかしら?」

はいはい、どうせ小部屋なのはわかってたんだよ・・・


「これは何だ?ステータスがおかしいだけじゃなくて、スキルも変だ・・・」

さあ?

石板の異常なんじゃないの?

「それはない、正常なのは確認した」

じゃあ、そう言うことなのよ!

「このユニークスキルは?」

これよ。

『歓喜の歌』を机の上に置く。


「これが?」

そうよ。これが封神刀『歓喜の歌』よ。

「重いな。持ち上がらん・・・」

そうじゃないのよ。ほら!

「嬢ちゃんが力持ちってわけじゃないんだな?」

もちろんよ。

これは認めたものにしか使用出来ないのよ。

「それがユニークスキルってことか・・・つまり嬢ちゃんにしか使用できない・・・?」

そう言うことよ。

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