6日目①
今日は遊園地に行く日!
行くって決まってからずーっと楽しみにしてて、実は夜もあんまり眠れなかった。
今日は駅集合でそこから目的地に一緒に向かう。単純に遊園地に行くのが久しぶりだし、それに加えて華楓ちゃんとって思うとワクワク感が止まらなかった。
そしてそして、今着ている服は昨日買ったばかりの服。新しい服を着る時もワクワクするよね。
お店で服を当てた時はそんなに悪くないのかも……?と思ったけど、家に帰ってから着てみるとやっぱり似合わないような気がしてくる。
いや、でも、華楓ちゃんと昨日買った服を着てくるって約束したから!ええい!どうにでもなれ!
友だちと遊ぶからちょっとメイクもして、髪も巻いてみた。うん、いい感じ!忘れ物もない!
「じゃあいってきまーす!」
「あ、華楓ちゃーん!」
「あ、おはよう。」
「おはよう!ワンピースめっちゃ似合うね!かわいい!」
華楓ちゃんは昨日買った薄緑色のワンピースに白のコートを着ていた。お店で体に当てた時よりも、実際に着ている方が断然かわいい!
「ありがとう……。へへ。でも、そのギンガムチェックのワンピースだってすっごく似合ってる……!オススメしてよかった。」
「ありがと!じゃあ遊園地向かおっか!電車はまだ余裕あるけど早めに行って損はないもんね。」
「うん。楽しみ……!」
「私も!」
そんなこんなして電車に乗りこみ、遊園地に向かった。
「わぁ……!すごい。現実じゃないみたい……!」
遊園地に着くと、華楓ちゃんがそんなことを言った。
「ほんとにね!現実じゃないと思って楽しんじゃお!」
「うん。」
「んー、じゃあなんか乗る?なにがいい?」
「えーっと、じゃああれ、とか?あ、乗れる?」
華楓ちゃんが指さしたのは水が降ってくるタイプのジェットコースターだ。乗り物自体は小さくて、4人乗りくらいに思える。冬だから寒そうじゃない……?と思ったけど、水がかからないようにボートに透明な屋根が付いていた。これなら濡れないから安心!ジェットコースターは苦手だけど、他のものと比べてそこまで傾斜もないし、1回しか落ちないみたいだからまあ大丈夫でしょ!
「まあいける!乗ろ乗ろ!」
私は華楓ちゃんの手を引きジェットコースターの列に並ぶ。10分ちょっとくらい並ぶかな?でも遊園地のアトラクション待ちの時間って意外と短く感じるよね。だから10分なんてすぐ!
「これ、夏だと濡れたりするんですか……?」
「濡れるんじゃないかな?皆カッパ着たり着替え持ってきたりして濡れに行くんだよ!」
「そんな大変なことしてまで……!でも楽しそう。」
「ね!夏に来るのもいいなぁ。」
なんて雑談をしているとあっという間に順番が回ってきた。
「何名様ですか?」
「2人です!」
「それでは前の2席にお座り下さい。振り落とされないように、シートベルトをしっかりして、お待ちくださいね。」
「はい!ありがとうございます!行こっ華楓ちゃん。」
「うん……!楽しみ。」
「ね!」
水色のボートのような乗り物に入りシートベルトをする。スタッフさんがしっかり固定されてるかを確認してくれると、頭上の透明の屋根が閉まった。
「わあ、すごい。」
「すごいね!ちょっと怖いけど……。でも楽しみ!」
そうしていると、アナウンスが鳴った。
「皆さんこんにちはー!今から皆さんにはちょっぴりスリリングな川の旅に出かけてもらいます。もしかしたら大きな滝なんかがあるかもしれないので、落ちないようにしっかりとシートベルトをして、楽しんできてください。それではいってらっしゃーい!」
スタッフの女性の声とともにボートは動き出した。動き出すとちょっと怖いかも……!?
「すごい……!楽しい。えへへ。」
「よかった!でもちょっと怖いね笑」
「確かに、あれを下ると考えると……。ちょっと。」
どんどん上に上がっていく。傾斜が近づいてきて、心拍数が上がるのを感じる。
「もうすぐだね……!」
「うん!めっちゃ怖い!うわっ来る来る来る!」
とうとうジェットコースターの頂点に達した。落ちるー!!!
「うわぁー!怖い怖い怖い怖い無理無理無理ー!」
「うわぁ……!」
バシーンという音とともに水しぶきが上がった。
このジェットコースター、思ったより怖い。そんなにガチじゃなさそうだと思ったのに!
「うわぁ怖かったぁ!!!」
「怖かった、けどちょっと楽しかったな。」
「本当?私はもう無理だぁ笑」
「すごい叫んでたもんね。」
「あはは。だって怖かったんだもーん!」
華楓ちゃんは思ったより絶叫系が大丈夫そうだ。私はめちゃくちゃ怖かったけど、楽しんでくれたならよかったかな。
「次、また何か乗りたい。」
「次何乗ろう。出来ればスリルがない平和なやつがいいなぁ。あ!メリーゴーランドとかどう?」
「メリーゴーランド……!それにしよう。」
「うん!」
メリーゴーランドは比較的空いている。子どもたちが私あれ乗る!なんか言って走り回っていた。かわいらしくてこっちまでにっこりしちゃう。
「私はあのユニコーンがいいな。かわいい。」
華楓ちゃんがそう言うので、
「えー私はあの馬がいいかなぁー。」
と返した。華楓ちゃんが選んだのはピンクと白のユニコーンで、私が選んだのは金色の鞍が着いた白馬だ。
回っているメリーゴーランドを眺めていると、音楽とともに馬たちも止まった。お、もう乗れる!
「それでは、2名様ですね。お好きのお馬さんへどうぞ。」
「はい!」
そうして華楓ちゃんが狙っていたユニコーンと、その隣の私が狙っていた白馬にまたがった。ユニコーンに乗った華楓ちゃんは子どもみたいで、なぜかその場に似合っている。
ガタン、と音を立てたと思えば軽快な音楽が流れ始め、馬が周り始まる。
「わぁ、すごい。動いてる。」
「あはは!動いてるよー!久々に乗ったぁ!なんか楽しい笑。」
「うん。楽しい……!」
目をキラキラさせながらユニコーンに乗る華楓ちゃんを横目にメリーゴーランドを楽しんだ。小さい頃もよく乗ったなぁ……なんて思いながら乗っていたら、あっという間に終わってしまった。
「凄い。楽しかった。」
「ね!楽しかった!次どこ行こっか!ていうかお腹空いた?先に腹ごしらえでもしよっか!」
「そうだね。お腹、空いたかも。」
「よーし、じゃああのお店入ろっか!」
「うん。」
遊園地特有の、色々な食べ物が売っているお店に向かう。お出かけして食べるご飯ってなんだか普通より美味しく感じるんだよね。
何食べようかなー?華楓ちゃんは何を選ぶかなー?
ワクワクした足取りでお店に向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます