5日目②

「可愛いお洋服買えました……!」

「ね!いつ着ようかな〜、なんて。」

「あ、それじゃあこの買ったお洋服を着てどこかお出かけとか、どう、かな……?」

「めっちゃいい!行こ行こ!どっか行きたいとことかある?」

「えーっと……。遊園地とか……?」

「遊園地!いいねいいね!」

遊園地かぁ。華楓ちゃんは絶叫とか乗るタイプなのかな。お化け屋敷とか意外と平気なタイプだったりして。

「乗り物どういうの乗るタイプ?絶叫系とかいける人?」

「あ、いや、遊園地にあまり行ったことがなくって。最後に行ったのが5歳とか……?だから記憶もあまりなくて。」

「そうなんだ!じゃあほぼ初めて遊園地?だね!笑」

「そうです……!ほぼ初めて遊園地。」

楽しみだなぁ遊園地。私も2年ぶりとかだし。

「あ、ていうか、行くあてもなく歩いちゃってたけどどこいく?フードコートとか行く?なんか食べたいって言ってなかったっけ?」

「あ、そうだ。話に花を咲かせてしまってました。フードコート行ってみたいです。どんな所なのかな……。」

「フードコートはね、色んなお店がひとつの場所に集まってる感じかな。で、そのエリア内でご飯食べれるんだよ!」

「色んなお店がひとつの場所に……!すごいですね。でも何を食べるか迷っちゃいそう。」

「確かにそれはあるかも。とりあえず行ってみよ!」

「うん。」

そう言ってフードコートに向かう。土日じゃないからそこまで混んではいない。混んでる時に行くと本当に席取れなかったりするからね。よかった。

そうしてすんなりと席を取り、お店を見回す。何食べようかな。

「何食べる?」

「あのアイスが美味しそうです……!でもクレープもポテトフライもチキンも美味しそう。迷っちゃうね。」

「やっぱ迷うよねー。私も何にしよう。てかどうする?夜ご飯ってことにして食べちゃう?」

「あ、いえ。夕飯はお母さんが作ってくれていると思うので程々に。程々にできるかな……。」

「それじゃあ程々にしないとだねー。えー、何食べようー?」

寒いけどアイスは食べたいし、でもしょっぱいのも食べたいからポテトも食べたいし……。

「私、アイスとポテトフライがいいです……!」

「じゃあ私もそれにしようっ!じゃあ二手に別れる?ポテト買ってこれる?」

「はい……!頑張ります。それじゃあアイスはお願い。」

「うん!アイス何味がいい?」

そう言ってアイスのお店のサイトを見せる。ここのアイス、ちょっと高いんだけど美味しいんだよね。

「わ、こんなのあるんだ。えーっと、この苺とチョコのやつでお願いします……!」

「了解!じゃあお金は後で渡すね。あ、ポテトL買って半分こにする?」

「そうします……!」

「じゃあポテトのLサイズ一つ買ってきてね。」

「はい……!」

華楓ちゃん大丈夫かな、と少し不安な気持ちはありつつアイス屋さんに向かう。頼むものもポテトLだけだし、大丈夫でしょう。


私がアイスを買って帰ってきた時にはまだ華楓ちゃんはいなかった。まああのお店結構混むしね。私はスムーズに買えたからそのせいだろう。

「ただいま……!」

「おかえりー!買えた?」

「えっと、これであってる……?」

「そうそれ!アイス溶ける前に食べよ〜。」

「うん。いただきます。」

「いただきます!」

華楓ちゃんは苺のフレーバー、私は期間限定のチーズケーキみたいなフレーバーのアイスだ。どっちも美味しそう。

「美味しいです……!」

「んふふ。それ美味しいよね、苺のやつ。」

「うん。そのチーズケーキ?だっけ。のやつも美味しそう。」

「うん!これも美味しい。」

冬に食べるアイスって夏に食べるアイスとは違う美味しさがあるよね〜。

「ポテトも食べよっと!ん〜、安定に美味しい!」

「私もいただきます。……。美味しい……。」

「ね!これ止まらなくなるんだよね〜。あ、それで遊園地!どこの遊園地行く?」

「遊園地……!私どんなところがあるのかあんまり知らないんだけど……。」

「あはは!まあそうだよね〜。どこにしよう。」

どこがいいんだろう。遊園地ってどこがあったっけな。

「あ、ここは?」

そこは大きめの遊園地で、ワンデイパスポートを飼えば一日中乗り物乗り放題で楽しめる遊園地だ。1回行ったことあるし、迷うこともなさそう。色んな乗り物があって楽しかった記憶もあるし。

「楽しそうです……!ここ行きたい……。」

「じゃあ決定だね!楽しみ〜!じゃあ、食べ終わったし行こっか。ごちそうさまでした!」

「うん、ごちそうさまでした。えっとこれは……?」

華楓ちゃんはトレーを指さしてそう言った。確かに初めて来たんじゃ分かんないか。

「これはね、お店に戻すの。あのゴミ箱かな、に分別して入れて、トレーはトレー置き場に戻す!」

「分かりました……!」

ちゃんとゴミを分別してゴミ箱に捨て、戻すものはお店に戻し、フードコートを出た。すると華楓ちゃんがゲームセンターを見つめながら、

「あの、あのお店に行ってみたいんですけど……。」

と言ってきた。

「ゲーセン!行こ!」

ゲーセンってやり始めると意外と止まらなかったりするんだよね。あと1回!とか言って3回くらいやったりしちゃう笑。ゲームセンターに入ると、騒がしい音楽が私たちを出迎えてくれた。

「ここがゲームセンター……!すごい、色んなのがあるんですね。」

「そうそう!何やる?UFOキャッチャーとかやってみる?」

「やります……!あ、この黒猫のぬいぐるみ可愛い。これ欲しいからやってみる……!」

100円を入れてUFOキャッチャーが起動する。

「それ動かしてあのアームを動かすんだよ!で、これ押したら下に下がって掴みに行くから、ここだ!ってとこで押してね。」

「うん……!」

華楓ちゃんがアームを操る。そこそこ!その返じゃない?とか言いながら私も参戦した。

取れそう!ってところでアームを下ろしてぬいぐるみを掴む。

「掴んだ!いけるいける!あっ。」

アームがぬいぐるみを掴む。そのまま上がって取り出し口まで……と思っていたらぬいぐるみはコトンと落ちた。さっきよりちょっとゴールに近づいたくらい。

「ああ……。結構取れないものなんですね。簡単だと思ってました。」

「まあそんなもんだよね。私もクレーンゲームとか苦手で全然取れないもん!まあ難しいし仕方ない仕方ない。またやればいいよ!この取れるか取れないかっていうのが楽しいみたいなところあるしね!」

「そうなんだ⋯⋯。取れなかったのは残念だけど、確かに楽しかった。」

「んふふ。よかったぁ!あ、ねえねえ、プリクラ撮らない?」

「プリクラっていうのはあれのこと……?」

「そう!写真がプリントシールになって出てくるんだよー!写真が可愛く加工されて、落書きとかもできちゃうの。」

「すごい……!やってみたいです。」

「じゃあ撮ろー!」

そうして私たちはプリクラの機械の中に入る。何となく思い出になるんだよね、これ。スマホで撮るより形に残るからかな。

「わ、ポーズ……。えっと、こうかな……?」

「かわいい!そうそう、あ、カメラ見てね。」

「あ、はい……!」

あたふたする華楓ちゃんを横目に、全部の写真を撮り終え、らくがきブースに移動した。

「これで何か書けるんですか……?」

「そう!メイクまでできちゃうんだよ〜!」

「すごいです。なんだか別人みたいな写真になっちゃいますけど……。」

「あはは!いいの。かわいいかわいい。」

「そうですね。かわいい、かわいい。」

そうして落書きも終え、プリクラがコトッと音を立てて出てくる。我ながらかわいく撮れたのでは?

「わぁ、すごい。かわいい。初めて撮ったプリクラ、大切にします……!」

「うん、私も大事にする!じゃあ、もういい時間だし、帰ろっか。」

「うん。」

そうして私たちは帰路についた。もう明日は土曜日かぁ。明日は遊園地でなにしようかな。

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