第11話 白野 魔奈②

現代の魔法はさまざまな種類存在する。

大きく2つに分けられる生活と戦闘の二つに分けられ、その中で魔法師は、一般的に2種類の属性を扱う事ができる事で一人前と言われ、3種類以上扱う事が出来た魔法師は、一流として富と名声も手に入ると言われている。

1種類の魔法を扱うのですら、一般の人間にしては人生の10年分の歳月を使うと言われている程の才能が物をいう世界だ。

その中でも白野は17歳という年齢で3種類の属性を扱える魔法師と同じくらいの実力や才能があると言われている神童だった。


〜〜


私は、毎日の日課で朝のルーティンをこなす為に朝5時に起床して、白湯を飲んでトレーニングの準備をし、3階の訓練所に足を運んだ。

朝日が差込みいい感じの雰囲気の施設で朝を迎えられて、魔法のトレーニングや攻撃を回避できるように体を鍛える事に励んでいた。

いつもであれば、学校に行く時間までは、自由時間としているが、

ダンジョン東大学付属高等学校の初登校の日でもあり、ダンジョン東高校に少し早い時間ではあるが、学校に向かうことをした。


ドキドキの気持ちを抑えながら、高校卒業までお世話になるクラスの前のドアに立っている。先まで、校長室のソファでHRが始まるまで待っていた。

日本有数のダンジョン学校の学校内でも有数の教室に編入する事に決まり、担任の先生に紹介されるまでの時間が長く感じ心臓がはち切れそうだった。そんな緊張をしている中呼ばれて教室にはいった。


担任「え〜、今日からこのクラスの仲間になる白野 魔奈さんだ。みなよろしくな!では、白野さん自己紹介お願い。」

スラッとしたスタイルしたモデル体型の美人だが、男っぽい話し方をした先生に言われ、私は話し始めた。


「白野 魔奈です。魔法師として冒険者活動をしようと思います。属性は、火、氷、聖です。よろしくお願いします。」

最初が肝心とよく言われていることから、大きな声で元気よく自己紹介をした。

そんな様子の一見して、クラスの人たちは、ざわざわしていた。

そんなざわついた空気を担任の先生の一声で収まり、席を案内された。そのあとは、友達つくりなよ的な余韻はなく、授業がスタートした。この時、一流の冒険者育成学校は一流だと感じた。

あとから知ったことだが、ダンジョン東高校の2年生の2学期から一流の学校に編入してくるのは、いきなり才能が開花し、将来は日本背負っていく程の冒険者しかいないからだ。


〜〜授業の間の休憩中〜〜

「白野さんってどこからきたの?」

「その歳で魔法が3種類も使えてすごいね!」

転校生にプライバシーの領域を侵食してくる程の質問の嵐でプライベートの領域を踏み込んでくるクラスの人が寄ってきた。

私はドジな所があり、あまり人付き合いが得意でもないし、色んな所で皆に迷惑をかけてきたこともあり、険しい顔をしながら対応していた。


「みんな!そこまでにしないか?白野さんが萎縮しているよ。」

大きな声で、私が嫌がっていると悟った人が止めてくれた。

その静止してくれた人は、代々日本の中枢の名家の子供で、クラスでもリーダー的存在で、雰囲気も容姿もイケメンだった。

止めてくれたおかげでクラスの知りたいがりの波が収まって無事初日の学校生活を無事に迎えられた。


授業が終わり、自宅に帰ろうと支度をしていると2人の男女が声をかけてきた。

「初めまして、同じクラスの武道士やっている高野たかの羌華きょうかだけどよろしく!こっちの真面目の男は、剣士神木かみき正義せいぎだよ。」

男勝りの雰囲気のある元気な女性と世間に出たら振り回されてしまいそうな正義感の塊の男が話しかけてきた。


「あ、初めまして白野です。よろしくお願いします。」

礼儀正しいと思えてしまうほどのおじきをし、簡単な挨拶をして私がすむマンションまで自転車にまたがり、帰宅した。


自転車をマンションの駐輪所に置き、マンション内に入ったらいつもなら1階の管理室でいつもはスライムマークのPCにかじりついて何かしている管理人の黒木さんがいない事に気が付いた。

すこし、おかしいな?と思いながら自室に帰宅しようとするも鉄がぶつかり合う音がした。その方向をみると、死のスタンピードで体験した邪悪なオーラを感じ、そのドアを開けた。


ドアの先には、管理人の黒木さんと2メートルは優にある青い筋肉質でタトゥーが入った鬼人?が戦っていた。二人はこちらに気づかない程に集中して戦っているが黒木さんが少し劣勢だった。


私は、黒木さんに加勢するかのように魔法の詠唱を始めた。

魔法は無詠唱でも使用できるが、どうしても威力が落ちてしまう。相手の鬼人?は明らかに上級者ダンジョンのボス級である。


「火の聖霊よ、相手を貫き、滅せる程の熱量を我が手に、集めたまえ。」

呪文を唱え、聖霊の力で白野近くに火の矢ができた。

炎射矢ファイアアロー」と言葉と共に火の矢は青い小鬼?に向かい、

炎射矢が青い鬼人?にヒットした。


青い鬼人?は、魔法に少し驚きを隠せずに一歩下がり、日本刀を構え集中しなおした。構えが達人の域に足しており、まさしく上級ダンジョン級のモンスターだと感じた。

魔法を交えて、黒木さんの援護をしながら戦っているが、2対1で優勢になると思いきや、互角の戦いになった。数分後に、青い鬼人?の攻勢が止まった。


「コレガ…。マホウカ…。オンナ…マホウハ…ニンゲン…ミナ…ツカエルノ……カ?」鬼人が話しかけてきた。


「お前にいう事はない」

私は、余裕のない様な雰囲気で話した。


「ワカ…タ」

何かを悟ったかのように鬼人は来た道の方向に帰っていった。


鬼人が帰っていたことで、緊張を抜けてその場に座り込んでしまった。

このまま座り込んでいると危ない為、マンションの中に戻った。

マンションの1階のソファで今まで黒木さんに起こった事を聞いた。


悪名高い、亞苦馬あくまホールディングスをクビになり、親から土地を受け継いだが、マンションを建てたが、ダンジョンになっていた。その後は、モンスターの素材を獲得して、生活していた。今日もダンジョンに籠っていたが、奥にすすんで先ほどの青い鬼人?を見つけて、帰ろうとして出口の前で出会ってしまったとのこと。


そんな話をしていると遠くからパトカーのサイレンがマンションに近づいてきた。

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