第9話 鬼人①

「ハァ…ハァ…ハぁ…」

こいつ強すぎる…

恐怖がひしひしと伝わる程の威圧感を感じながら、ダンジョンに籠った事に後悔をしている…。

こうゆう時って昔の走馬灯が見える。


学生時代は恋愛、勉学、剣道と色んな甘いや酸っぱい経験をした。大学を出てからは、

新卒として入社した会社で死に物狂いで働いて、その後はトカゲの尻尾を切るようにクビにされて、マンションがトントン拍子に建設されて俺が貰う事になった。白野さんがマンションに引っ越すようになったこと、マンションがダンジョンになっていたこと、緑の二足歩行ゴブリンと初めての戦闘し、その後、ゴブリンの素材で10万円を稼げた事で会社をクビになってから会社員サラリーマンでは絶対に経験できないことが連続的に記憶がよみがえってきた。

今までの出来事で人間としての経験値を詰めている事は実感している。でも自身の冒険者?としての経験値は全くないと落胆してしまっている。


~~数時間前~~

白野さんがマンションに住むようになった翌日にダンジョンを潜り込むことにした。

マンションを建設した人から渡されたマンションの間取り図を見ていた時に、

一階は管理室と玄関と宅配ボックスぐらいしかないと思っていた。

玄関を入ったところには大きなフロアが存在し、その周りに管理室や宅配ボックスなどが置かれている。奥には2階に続く階段がある。その階段の下に見知らぬドア?が存在することを白野さん荷物を運んでいる時に気づいた。


そのドアを開けたら、地下に続く階段があった。

何だろう?と思い、そのまま階段を下りっていたが思っていた通りでダンジョンが続いている。


また、ゴブリンと遭遇する事を恐れて一度戻って最低限の装備を整えた。

武器:ベルト(革製品)※まともな武器はなかったため、鞭みたいに使えば足止めや遠距離攻撃ができると思い装備した。

頭:懐中電灯が付いたヘルメット

体上:無地のTシャツ(黒)×3枚 (服を重ね着して防御力を高めれると思い重ね着した。)        

体下:ジーンズ        

腕:左腕の前腕部に新聞紙や雑誌をガムテープでぐるぐる巻きにした盾     

足:スニーカー           

アクセサリー:ゴブリン対策にエ〇本(ダーグルで検索すると女性の体に弱いと書いてあった。)


地下に続く階段を下りていくとまっすぐ伸びる道が存在する。

その道を進み、ゴブリンをはじめ初級モンスターと遭遇していた。

ゴブリンは対策していた通りにうまく倒せた。そのおかげでレベルアップして少し強くなった。ステータスの上り幅は微々たるものだが…。

LV, 2→4

・HP(体力)      110→130

・MP(魔力ポイント)  22→28

・ATK (攻撃力)     7→15

・DFT(防御力)     12→20

・MAG(魔力    2→2

・SPD(素早さ)     12→20

・LUK(運)     20→25

ここまで来るのに大変で最低限の装備がすでにボロボロになっていた。

モンスターに出くわしたら戦えないほどに壊れかけている。

そんな装備のまま歩き続けると異様な程のオーラを纏った鬼人?の集落をみつけた。

死の危険を感じ、その場所を後にした。

ボロボロの状態でやっと地上に続くドアまで来た。その手前でゴブリンに出くわし、倒す羽目になった。


「黒木様 目の前のゴブリンは今までとは違い強敵かと思われます。用心してください。」

この時のシリエは、会話の中にここは覚悟を決めろという様に聞こえた。


お互いの間合いの距離を保ちながら、静かな時が過ぎた。

ゴブリンはしびれを切らして「ぎゃーぎゃー」と発情しているかの様に泣いて襲ってきた。その瞬間に右手に持っていたベルトを丸めてゴブリンに投げつけた、運のいい事にゴブリンの目の周辺に当たった事でゴブリンは怯んでいる。

その隙に近くの石を手にした、その間にゴブリンも態勢を整えた。

左手には、ボロボロになった盾と最後のエ○本を準備した。臨戦体制になったと同時にゴブリンは襲いかかってきた。


「黒木様 前方約1メートルのところに左手に持っている動物の欲が詰まった本を投げてください」

シリエの言葉通りに投げた、ゴブリンはその本に女体が写っている事に気づき、本へと向かっていた。その隙に俺は右手に持っていた石を投げつけて、ひるんでいるゴブリンに近くに置いてある石を投げまくった。どれほど時間が過ぎたか分からないが俺は投げ続けていた。ゴブリンが持っていた剣を手にし、ドアに向かおうと歩き進めた。


その瞬間、後ろから身の毛もよだつほどの冷たい殺気を感じた。


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