第3話
「何を言って…精をいただくだって?」
目の前の男から出た言葉に驚愕を隠せず未来はしどろもどろになり目を泳がせた。
泳がせた先では、女の子が両手を広げ何やら唱えているようだが何も起こらず、何度もトライしているのが見えた
「その言葉の通りだ。再度だが未来、そなたと交わりその精をいただく」
「意味不明」
「分かりやすく言えばおまえの胎内に俺の精を注ぎ、未来の胎内に眠る聖力を呼びおこす。その聖力を俺は食う」
「どういうシステムだよっ。オレは充電器じゃない」
「じゅーでんきが何かは知らんが、難しいことは考えるな。未来はただ足を開いて俺のモノをその身に迎えいれればいい」
「無理だって!オレは男なのっ。ようはセックスってことだろ?女じゃないから無理」
「未来はバカか?」
「はっ?」
「男にも不浄な孔ではあるが…孔はある。少し準備はいるがな」
「どこを使う気だよ」
「肛門だ。直腸と男のそれは長さ的にも合う。準備さえすれば立派な性器となる」
「無茶苦茶だろ」
「百聞は一見にしかず…。こちらへこい。未来が知らぬ扉を開けてやろう」
シリウスは未来の手を引き、続きの間へと入っていった
「ま、待って」
「未来の国では立って致すものか?」
「違うと思う。普通はベッドで」
「ならば我が国と一緒だ」
シリウスは手に反動をつけて未来をベッドへと放った
想像以上に広い空間にそれに見合った大きな白いベッド、並べられた複数の枕と天井から下がるふんわりとしたカーテン
今からこの場で情を交わすのだということが一目で分かり、未来はうろたえた。
「マジでやんの?」
「案ずるな」
「怖いんだけど」
「はじめてなら無理もない。俺はそうじゃないから委ねればいい」
「いつもこんなことしてんの?」
「召喚は俺ははじめてだが、歴代がどう失った聖力を回復させたかは知らない。
召喚以外でも神事を行えば力を消耗する。
俺の場合は波長の合うものを抱いてそこから湧き出たパワーをいただいている」
「オレにそんな力があると思わないんだけど!?」
「波長があったからこそ召喚の陣に吸い込まれていったんだろう。十分に力はある」
「聖女だっていう女の子は?まさかひどい目にあってないよね?」
「いまのところは大丈夫だろう。聖女のみが持つという力を示しさえすれば王の妃になることもあり得る。ゆえに聖女には誰も手出しはできない」
「じゃあもし、力がなかったら?」
「俺の預かり知らぬことだが…追放されるだろうな」
「そんなっ。だってさっき窓から見えたけどなんの兆しも!」
「知らない。俺は召喚するのみ。以降のことは城のものたちの仕事だ。本来なら聖女が浮けと願えば浮き、砕けろと願えば砕けるものだ」
「無責任だろ!浮けっていったら浮く?そんなの信じられるか。枕よ浮けって言ったら浮くわけ?」
その、瞬間まわりの枕がふわふわと浮きだした
「へ?」
「なんと…」
「なんで浮いてんだよっ」
「直れ。って念じてみろ」
「直れ?」
パタパタと枕がベッドへ落ちていった
「嘘だろ?!」
「なるほど…聖女はどうやら未来、おまえのようだ」
「そんなことって?」
「そういうこともある」
「あの子はどうなるんだよっ」
「分からん」
「かわいそうだろ!もし追放なんてことになったら」
「ならば、未来が影から守れ」
「どうやって…」
「塔から城が見える。こちらから、さも彼女が力を使っているかのように操作すればいい。俺は未来から精をもらう変わりにそれを手伝ってやろう」
「できんの?そんなこと…っ」
「しかしその前にやることがある。寝ろ」
シリウスは未来の肩を押し、ベッドへとその体を倒した
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