第2話

「え〜と…さ、なんか手違い?があったみたいなんだけど。オレってどうなんの?」

「手違いではないはずだ。何故おまえが召喚されたのか俺にも分からないが…召喚されたということはこの国に役立つ何かをもっているのだろう。聖女…じゃないな、かと言っておまえでは不便だ…名は?」

神官殿は落ち着いた様子で話し、窓辺へと歩いていった

神内未来ジンナイミク。未来が名前。オレって本当に何かに役立つ?普通のどこにでもいる男子高校生だよ?勉強も運動神経も普通。顔はまぁ…そこそこ可愛い系って言われてるけど…何もないと思う。だからさ」

「だが召喚された」

「帰してよ!あんたが呼び寄せたんだろ?呼べたんだから帰せるだろ?」

「否。先ほども言ったが帰す術がない」

「それじゃオレどうなんの!なんの意味もなくここにいろって?」

オレは声を張り上げた。

が、神官殿は動じず静かに言葉を紡いだ

「未来。俺とともにこの塔で暮らせ。不自由はさせない」

「塔って…」

オレは慌てて神官殿の近くまで走り窓の外を見ると、さっきの老人たちと女の子が城のようなところの広場にいるのが小さく見えた

「高いっ!って、あの子…」

「聖女さまはこれよりその聖なる力を使い、国を導くために修行に入られる。俺はそれをこの塔から陰ながら見守る役目がある。未来にはその手伝いをしてもらう」

「こっから出れないの?」

「出れる。が…外はわずらわしい」

「オレはこんなとこで幽閉されて一生生きるなんて真っ平ごめんなんだけどっ」

「だが…どうする?着るもの食べる物、寝るところ…行き場がないぞ。見慣れないおまえに手を差し伸べるやつがいるとは思わんが?」

「そ…それは…っ!でも、あんたは引き取ってくれただろ」

「召喚したのは俺だ。責務がある」

「お優しいことで!」

「未来。戸惑うのも無理はない。落ち着け」

「黙れっ。訳の分からないとこに連れてこられて落ち着いてなんかいられるかよっ」

「未来っ」

神官殿はやや声を荒げ、未来の手を握り、

真剣な眼差しで未来を見つめ手を引っ張り未来を引き寄せその腕の中に抱きとめた

「な、なんだよっ」

「神獣はこうしてなだめる」

「神獣!?獣扱いかよっ」

「もう一度言う。落ち着け」

神官殿は未来の顔に顔を近づけその唇を奪った

「なっ……んっ」

なんでキスされて?はじめてだぞ…

はじめてなのに変な世界でわけ分かんないやつにそれも男に奪われた

「んーっ」

神官殿の長い舌が未来の唇の間を舐め、歯をなぞった

ゾクゾクとする感覚に未来は戸惑い口を開け

その、隙間を逃さず神官殿は未来の口内へ舌を忍ばせ、その内を蹂躙し未来の舌に舌を絡ませて吸い上げた

「んんっ」

(なんで…っ)

バンバンと音を立てて未来は神官殿を叩き、神官殿を噛んだ

「…っ」

神官殿は痛みに驚き、手で血を拭い未来を見つめた

「はじめてか?」

「てめーっふざけんなっ」

「てめーではない。シリウスだ。役目を与えよう」

「なっ何言って!」

「召喚にはひどい体力を使う。おまえから精をいただく」

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