13話 偽の心臓の正体 その2

本物とは一体……と言うとリリーは口を開いた。


「今のところでは身元がわからねえままさ、作り出しんした偽物……いや、わちき個人の考えは捨て駒として誰かが犠牲になったとわちきは考えてやす。」


「本物は願いを叶えるための聖遺物の一部……それしか考えらんないと思うものだ。」とマノさんはあるいは聖遺体と言うかもしれねえけど、この場合、本当に遺体のかも分からねえと何か水を見ながら調べているマノさんにセイカの外見を少し見るリリーさん…と私とセイカ以外各自何かを調べている。


……あれ??でもよくよく考えてみたら、ハジメさんが言っていた話からするに、

見つけたのならなぜ即、裁定者ルーラーしなかったのだろう。

そのことに関してハジメさんに言及すると……

「あの時は急、どんな仕掛けがあるかも分からない、未発見の遺跡。闇雲で歩いていて見つけた心臓だったからな。テンパった。それに俺の能力は至近距離でなければ、使えることが出来ない。急に触って持って帰るよりも報告して前準備をしてから、遺跡に行くってバカだったよ俺は。」能力をあることをすっかり忘れたと当時を悔しがっていたことを語ったハジメさん。

言葉を続けるようにリリーさんが言った。

「そもそも、未発見の遺跡で持ち帰ろうとしたとしても、帰れるのがわからねえ状態。死んでもおかしゅうない遺跡の中で生きて帰ってくれただけでようござりんしたなんて思って、あの時の判断に関しては見落としていた私達に落ち度があったわ。」


しばらくして議論が続いた…とある話についてだ。

……それは偽の心臓で召喚されたセイカの処遇についてだ。


それに対しての回答はまとめるとこうだ。


1,セイカを即処分。

2,すべての遺体を回収したのちに遺跡に向かう途中でセイカを処分。

3,本人の意志による。


……という誰が見ても多数決をとっても後者の方を賛成するのが多いだろう。

ちなみに1の発案者であるハジメ以外の全員が2と3には同意した。

「あちきはセイカを召喚した責任として、すべての遺体を回収した上で処分した方が

良いと思うのだが、それでも嫌なのか??「嫌だ。」おやまあ、即答。」

「なんで、そんなに嫌がりんすか??」

なんで!?よくそんな疑問文をぶつけられることが出来るんだよ!?と逆ギレ。




それほど、彼の生存が嫌なのであろう。それは冷酷なのか、

それとも私情な嫌悪感で殺意の衝動が抑えられなくなるとか??

いや、後者は彼の原理に当てはまらないであろう。

。って……

なんで私があたかも彼のことを知っているような言い方をしているんだろう。

何様のつもり??と今、言ったら言われそう。

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