7話 炎の吸血鬼
すると、何処からか煙の匂いがしてくる。
何処かでキャンプでもやっているのだろうかそう思い、周りを見渡すとそんなものは無く、あるのは虫の心地いい羽音だけだった。匂いの元がどんどん私に近づいてくる。それを気づく時には、肌が火の熱さを感じていた。燃え盛るような髪に、血のように赤い目をしており、人間じゃないと言わんばかりにその周りには炎が舞っているような近づいたもの皆燃やすような男性のような者が立っていた。至近距離であれば全身火傷では済まされないだろう。それを思わせるように、彼の下には土が焼けている後が分かる。恐怖さえ感じないその姿に私は、覚悟は出来ていても決心は出来なかった。
「……我が主。」ゆっくりと彼は喋った。
我が主??従えた覚えがないのだが……
そう、言葉を言う前に行動が首をかしげてしまっていた。
「…………もしや、我が主??覚えていないのですか??
遺跡の際に心臓を触媒に引き換えに私を召喚したのではないですか。」その召喚者が生きているのも不思議ではありますが、それすら、覚えていないのですかというばかりに心配してくる彼に人間っぽい感情があると安心したと同時に私は彼と会話することにした。「すいません、召喚したっていう、意識がなかったと言いますか……、そういうシステムって分かんなかったので……」
と言うと、「……そうですか。」と気持ち悲しげに返してきた。
そんな悲しそうな顔をされても、こっちが今困惑している。
急に主とか言われても……とびっくりしている事実をそのまま言った。
「……しかし、今はこのように現実にいるのですから、
事実を受け取れば幸いです。我が主。」と返された。「……我が主は硬苦しいよ。」とその堅苦しい呼び方を辞めてくれと私は提案する。
「では何と??何とお呼びすれば??」と言うので、
「名前で言って、咲玖っていうんだ。9つに咲く花って意味で咲玖ね??」と意味も相手に教える私であった。それを教える意味があるかどうか分からないが……
「咲玖……咲玖様でありますか。素敵なお名前ですね。」と普通の人なら褒め殺しの言葉を彼は言った。
彼は紳士のように淑女を目の前にしたかのようにお辞儀をして自己紹介をした。
「私は炎の吸血鬼。通称、セイカ。そう呼んでください。」と自己紹介をした。「………おや。」セイカは何かを察知したのだろうか。
とある所に目線に合わせるセイカに何かあったのかと私も見るとそこには…………
「やっぱり……精霊を呼んじゃっていたか。」
咲玖ちゃん??と少し不機嫌そうなハジメさんの姿がそこにはあった。
私は事情を説明した。
「…………そうだったとしても、夜は危ないって寝る前に
みんなに説明したでしょ??」決めたでしょ??とまるで約束を破った子供を叱るような態度で私に言った。
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