現実世界と瓜二つな世界、智上に主人公である涼風洸が迷い込むことから動き出す物語。
現実世界と同じなのに異なる場所。いつの間にかそんな場所に迷い込み、洸は様々な人と巡り合います。
透矢と那由奈との出会いでそれとなく智上や魔術について分かりはじめますが、序盤は洸と同じように「いったい何が起きているんだ」と思いながら拝読しました。魔術については理論的に構成されていて、作者様のこだわりが感じられます。
更に先生と呼ばれる人物やアミと出会い、洸は騒動に巻き込まれていきます。登場人物の思惑が絡み合い、錯綜しながら進んでいく。拝読していて、次は何が起こるのだろうと気になりました。
未知の世界である智上と魔術師の存在に戸惑い、洸と共感しつつも、彼もまた人に言いにくい夢を持っているため、どこか掴みきれない部分がある。
平和主義の彼が何を望むのか。真意はどこにあるのか。
一章完結とのことですが、謎が多く残っており、これから先どう展開していくのか楽しみです。