ハウンティア
津島 結武
ハウンティア
ハウンティア(hauntia)、それは怪奇現象を目にしていると錯覚する病気のことを指す。
日本語では「怪奇現象体験症」や、俗に「怪奇現症」と呼ばれることがある。
語源はシンプルで、「(幽霊などが)出没する」という意味の「haunt」と、病気を意味する接尾辞「-ia」だ。
この語は幽霊などの怪奇現象がまったく信じられなくなった頃に成立した。
当然ながら、この成立においてアメリカ精神医学会は慎重な議論を要した。
怪奇現象を目にするといっても、ほとんどの場合それは曖昧なもので、少なくない人が体験するものでもあるからだ。
それを病気の一種に位置づけるのは大変危険なものであると何度も異議を唱えられた。
そのため、ハウンティアと診断されるためには、「複数回にわたって反復的に怪奇現象を体験する」という条件が必要になった。
ところが、この病気に対して激しく異論を唱える団体があった。
それが心霊現象研究協会の心霊派の人々や日本心霊科学協会である。
彼らは心霊現象や怪奇現象は科学的に存在を解明できるという立場にあるため、それらをないものとするハウンティアという考え方を否定したのである。
実は、彼らのような考え方をもつ者がアメリカ精神医学会にも少なくとも存在した。
そのため、ハウンティアと診断されるもう一つの条件として、「その症状によって社会的な障害をもたらしていること」が加えられた。
社会的には大きくマイナスの影響がもたらされた。
怪奇現象を体験したと言い張る人々が差別されるようになったのである。
上述した心霊現象研究協会の心霊派の人々や心霊科学協会の人々がそれに該当する。
彼らは病気だと揶揄されるようになった。
ハウンティアは「怪奇現象を目にしていると思い込む病気」であるにもかかわらず、それを病気じゃないと主張するだけで病気と見なされるようになってしまったのである。
これについてアメリカ精神医学会や世界保健機関は正しいハウンティアについて啓発しているが、あまり良い結果は現れていない。
ハウンティア 津島 結武 @doutoku0428
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