第3話ドイチル共和国、監禁中の朝帰り両思い

 高級エリザベス系ホテルにて。何故かは知らないが我が家のスプーンと食器が揃った部屋があったので、舞花のティディベアが我が家と同じ並べ方をされたVIP部屋に入った。

無言でキスを始めると、ちゅっんちゅという音と共に舞花がアリスをベッドに押し倒す。ただ二人の熱っぽい視線が混じり合い、吐息が舌と共に流れて溢れ出す。優しい愛情というよりも獰猛な塩味を含んだ愛の時間が始まる。


愛の時間は省略しよう。


ま「ねえアリス。エイチ終わった瞬間にバラした銃と弾丸が降ってきたんだけど。ナイフこれ何本?全部持っていくからアリスっぷるも運ぶの手伝って。」

ア「ナイフと銃は預かりトランクには入らないわ。残念ね。100本は置いていくわ。」

ま「アリスっぷるのナイフ入れ、ストックあと何千本あるわけ?」

ア「数えて無いけど、それなりね。」


メリボディの舞花とアリスっぷるは次のゲームに向けた発散が終わり次第即座にデスゲームに戻っていく。食器は次のVIPにのみお出ししますという張り紙が有ったので、常に普段通りの部屋で過ごせる訳でも無いようだ。


ピーンポーンパーンポーン

爆「国民様の中に民間放送が有ります。迷い子のお知らせです。アリス様、舞花様に、密告放送をされようと、当たり部屋&番号のお知らせを、する予定だったそうです。捜査に基づいた証明です。イカサマ禁止法により民間人の処刑を個々に宣言します。ナイフを80本舞花様が献上された場合のみコレを取り止めと、させて頂きます。どうなさいますか。」

パーンピーンポーンパーン


ア「味方よ。多分警備員のおばさんが巻き込まれて誘拐されてるわ。私と同じ計算機のおばちゃんよ。処刑は流石にダメね。」

ま「80本だと、23本しか残らないんだけど!」

ア「ダメよ。諦めなさい。おばちゃんとの合流は難しいわ。けどウチの上級国民よ。おばちゃんである前に野放しは無理よ。献上BOXにナイフを入れるわよ。」

ま「でも」

ア「銃弾が最大量十発。六発が私で護身用の四発が舞花よ。私が何か有り次第撃つわ。これで充分よ。」

ま「そんなこと言っても!」

ア「こんな事だろうと思ってたわ。私達の味方をする仲間内の民間人が出れば運営は妨害するわ。全部計算内よ。大丈夫、献上よ。」

舞花が悔しそうに涙を浮かべる。他人の命に変え難い自分の命を燃やしてでも助けたい、喧嘩の仲裁をし続けて恋仲を取り持ってくれたおばちゃん。処刑されてでも私達を守ろうと思ってくれているのは言うまでもない。だからこそだ。見捨てたくない。アリスは心に浮かべ命の守り神を燃やす覚悟を決める。


ア「無いよりはマシよ。昔の地獄ルーレットよりはマシじゃない。」

ま「まあそれは、そうだけど。」

ア「私が舞花を拒む度に録音機片手に頑張ってくれてたのよ。絶対に助かるわ。」

ま「おばちゃんとの号流は」

ア「無理よ。諦めなさい。」

あ「でも」

ア「一人でも警備もkill民間人も居ないわ。同じ計算機仲間だから部屋の間違いは無いわ。もう痛い目見たから次は無いわよ。」

ま「バレた理由って」

ア「私が一度は失敗するからって不自然な動きでも取ったんでしょう。捕縛は必ずのMissよ。気にしなくていいわ。」

ま「こんな先代一遇のチャンス。無くして、おばちゃんが喜ぶ」

ア「私達に見捨てられて、要らない命にされて絶望しないかしら。」

ま「それは、そうなんだけど、アリスの命を差し置いて助かりたい程の人だって思えなくて」

ア「愛し合っていれば必ず勝てるわ。絶望なんて無い。お互い様よ。居ないと死んじゃう。おばちゃんが、居なきゃ今頃私達は喧嘩別れしていたわ。」

ま「もう決めた。わかった。」

ナイフを献上すると、解放しましたとパネルに教示された。


次のゲームは3時間後。英気を養った私達は疲れなど無い無敵となった。


次話に続く。


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